近年は猛暑日が増え、ヒートアイランド現象による寝苦しさや不快感に悩む方も多いでしょう。こうしたなか、日本古来の暑さ対策である「打ち水」が、環境にやさしいエコな取組みとして改めて注目を集めています。東京2020オリンピックの暑さ対策のひとつとしても話題になりました。
ただし、打ち水はやり方を間違えると、十分な効果が得られないこともあります。そこで本記事では、打ち水の正しい方法や効果的な時間帯・場所に加え、夏を快適に過ごすための身体の内側からの暑さ対策についてもわかりやすく紹介します。
日本古来の暑さ対策である「打ち水」の仕組みや効果的な方法をはじめ、住まいの猛暑対策や身体の内側からのクールダウンについて解説します。
気化熱の働き:
水が蒸発する際に周囲の熱を奪う「気化熱」により、地表面温度を約20℃低下させ、涼しさを保つ効果があります。
伝統と歴史:
もともとはお客様を迎える「おもてなし」や場を清める風習として始まり、土ぼこりを抑える効果もあります。
時間帯:
日中の炎天下は水がすぐ蒸発して湿度が上がるため逆効果になります。気温が低めの朝や夕方におこなうのが効果的です。
場所:
日陰の地面やベランダのコンクリート、エアコン室外機周辺の地面(直接水はかけない)が適しています。
二次利用水の活用:
お風呂の残り湯やプール水、雨水等を再利用することでエコに実践できます。※洗剤入りは滑るため避けましょう。
住まいの工夫:
直射日光を遮り周囲の温度を下げる「グリーンカーテン」や、高低差・サーキュレーターを意識した「空気の循環」が有効です。
身体の内側のケア:
発汗で失われる水分を補うため、のどが渇く前に冷たいお水を飲む等、身体の内側からクールダウンすることが大切です。
目次

打ち水は、日本で古くから親しまれてきた夏の風習です。
はじめに、打ち水の歴史や意味、涼しく感じる仕組みについて詳しく見ていきましょう。
打ち水は、家の前や庭先、道路に水をまく日本の伝統的な風習です。現在では夏の暑さを和らげるための方法として知られていますが、もともとはお客様を気持ちよく迎えるための「おもてなし」の心から始まったといわれています。
玄関先や道路に水をまくと涼しさを感じられるだけでなく、土ぼこりを抑える効果も期待できます。訪れる方が快適に過ごせるよう配慮する意味も込められていました。江戸時代の俳句や浮世絵にも打ち水の様子が描かれており、古くから人々の暮らしに根付いていたことがわかります。
また、打ち水には涼を取るだけでなく、場を清める「お清め」の意味合いもあったと考えられています。
打ち水をすると涼しく感じるのは、「気化熱」という現象によるものです。気化熱とは、液体が気体に変わる際に、周囲から熱を吸収する性質のことです。
夏の暑い日に地面へ水をまくと、水は蒸発して水蒸気になります。このとき、水は地面や周囲の空気から熱を奪いながら蒸発するため、地表面の温度が下がって涼しく感じられるのです。
実際に、打ち水の効果を検証した実験では、サーモカメラで地表面温度を測定したところ、打ち水の前後で地表面温度が約20℃低下しました。また、打ち水をしていない場所と同じ温度に戻るまでには約1時間かかっており、打ち水による涼しさが一定時間続くことも確認されています。※1
このように、打ち水は電気を使わずに周囲を涼しくできる、環境にもやさしい暑さ対策といえるでしょう。

打ち水は手軽にできる暑さ対策ですが、その効果は限定的です。また、時間帯や場所を間違えると、思ったような涼しさを感じられない場合もあります。
ここでは、打ち水の効果をより高めるためのおすすめの時間帯と場所を紹介するので、ぜひ実践してみてください。
打ち水の効果をできるだけ長く感じたいなら、朝や夕方の涼しい時間帯におこなうのがおすすめです。特に、気温が上がり始める前の朝や、日差しが弱まり気温が下がり始める夕方におこなうと、地面の温度を効率よく下げられます。
一方、気温が高い日中の炎天下に打ち水をしても、水がすぐに蒸発してしまい、十分な冷却効果が得られないことがあります。また、蒸発した水によって湿度が上昇し、かえって蒸し暑くなる場合もあるため、「逆効果」「意味がない」と感じる方も少なくありません。
打ち水をおこなう際は、朝の比較的涼しい時間帯や、夕方以降の気温が下がり始める時間帯を選ぶようにしましょう。
打ち水は、日向よりも日陰の地面におこなうのが基本です。日陰は日差しの影響を受けにくく、水が蒸発するまでに時間がかかるため、より涼しさを感じられるでしょう。
マンションではベランダのコンクリート部分に打ち水をすると、日中に蓄積した熱を和らげ、夜間の室温上昇を抑える効果が期待できます。
また、エアコンの室外機周辺の地面に打ち水をすると、周囲の温度が下がり、冷房効率の向上につながる場合もあります。ただし、故障の原因となる恐れがあるため、室外機のアルミフィン(金属板)に直接大量の水をかけないよう注意してください。

打ち水は水道水でもおこなえますが、毎日続けるとなると水の使用量が気になるという方も多いでしょう。そこでおすすめしたいのが、エコで節水にもつながる「二次利用水」の活用です。
二次利用水とは、本来の用途で一度使用した後に残った水を別の用途に再利用することで、環境省も打ち水への活用を推奨しています。※2
家庭で活用しやすい二次利用水の例としては、以下のようなものがあります。
● お風呂の残り湯
● 子ども用プールの残り水
● 雨水タンクの水 等
このように、家庭で発生する多くの二次利用水は、打ち水に活用できます。
ただし、洗剤や汚れを多く含む水の使用は避けてください。地面が滑りやすくなり、スリップや転倒につながる恐れがあります。

打ち水以外にも、ちょっとした工夫で暑さを抑える方法があります。ここでは、家庭で手軽に実践できるおすすめの猛暑対策を紹介します。
家庭で取り入れやすい暑さ対策のひとつが「グリーンカーテン」です。グリーンカーテンとは、ゴーヤやアサガオ等のつる性植物を窓や壁面に這わせ、日差しを遮る方法です。
植物の葉が直射日光を遮ることで室内に入り込む熱を抑えられるほか、葉から水分が蒸発する「蒸散」の働きによって、周囲の温度を下げる効果も期待できます。
ゴーヤやキュウリのような野菜を育てれば、暑さ対策をしながら収穫も楽しめるため、一石二鳥です。環境にも家計にもやさしい取り組みとして、ぜひ取り入れてみてください。
室内の暑さを和らげるためには、空気を効率よく循環させることも重要です。換気をする際はただ窓を開けるだけでなく、空気の流れを意識してみましょう。
例えば、複数の窓がある場合は、空気の入口と出口を作るイメージで窓を開けるのがおすすめです。高い位置と低い位置にある窓を組み合わせる等、高低差を意識すると風が通りやすくなり、室内の空気を効率よく入れ替えられます。
また、風が弱い日や窓の位置の関係で空気が流れにくい場合は、サーキュレーターや扇風機を使って空気の流れを作るのも効果的です。窓の開け方や空気の流れを少し工夫するだけでも、夏を快適に過ごしやすくなります。

暑さ対策では周囲の暑さを和らげることも大切ですが、身体の内側からのケアも欠かせません。特に暑い季節は、体内の熱を効率よく逃がす工夫が重要です。
ここでは、身体の内側からできる暑さ対策について紹介します。
暑さ対策では、打ち水やグリーンカーテン等で住まいの環境を整えるのと同時に、自分自身の体温を適切にコントロールすることも大切です。
特に暑い季節は、発汗によって体内の水分が失われやすく、気づかないうちに体温が上昇していることがあります。そのため、こまめに冷たいお水を飲み、身体の内側からのクールダウンも意識しましょう。
のどが渇いてから飲むのではなく、こまめに水分を補給する習慣をつけることが、暑い夏を快適に過ごすポイントです。
暑さ対策には、こまめな水分補給が欠かせません。しかし、「毎回冷たい飲み物を用意するのが面倒」「ペットボトルの購入コストが気になる」という方も多いのではないでしょうか。そんな方には、浄水型ウォーターサーバーの活用がおすすめです。
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暑い季節の健康管理には、水分補給を無理なく続けられる環境づくりが大切です。お水を飲む習慣を身につけたい方は、ぜひLoccaを活用してみてください。