食物アレルギーは、かゆみやじんましん、強いショック等を引き起こすアレルギー疾患です。子どもに多く見られますが、大人になってから発症することもあります。食物アレルギーに関する研究が進み、社会的認知度が高まった結果、身近な疾患として気になっている方も多いのではないでしょうか。
食物アレルギーが起こる仕組みや主な症状、食事療法の基本に加え、免疫機能を正常に保つための「お水(こまめな水分補給)」の重要性について解説します。
①アレルギーの仕組み:本来は身体を守る免疫機能が、食べ物に含まれるタンパク質を異物と勘違いして過剰に反応することで起こります。日本では鶏卵、牛乳、小麦がアレルゲンの約3分の2を占めています。
②主な症状:かゆみやじんましん等の「皮膚症状」が最も多く(約86.6%)見られます。重症化すると血圧低下や意識障害を伴う「アナフィラキシーショック」を引き起こし、命に関わる危険があります。
③成長による変化:鶏卵や牛乳等は成長とともに症状が治まる(耐性獲得)ことが多い一方で、ピーナッツや甲殻類等は治りにくい傾向があります。
目次

食物アレルギーがどのような仕組みによって発生するのかを知っておきましょう。食物アレルギーの基礎知識をわかりやすく解説します。
食物アレルギーとは、本来であれば身体を守るために働く免疫系が、食物に対して過敏に反応してしまうことを指します。※1
免疫系とは、体内に侵入した細菌やウイルス等の異物を排除するシステムのことです。風邪の細菌やウイルスが体内に入ったときに、風邪の症状が出ないことがあります。
これは、体内の免疫系が細菌やウイルス等を有害な異物と認識し、攻撃して排除しているためです。私たちの身体は、免疫系によって様々な脅威から守られているといっても過言ではありません。
その一方で、免疫系が本来は身体に無害なものを異物と勘違いし、攻撃してしまうことがあります。この勘違いが、特定の食べ物に対して起こるのが食物アレルギーです。
食物アレルギーの多くは、体内にある「IgE抗体(アイジーイー)」によって引き起こされます。
例えば、卵に対するIgE抗体を持つ人は、卵を食べるとじんましんやかゆみ、咳、呼吸困難といったアレルギー症状があらわれます。アレルギーの程度はそれぞれですが、重度の場合は命に関わることもあるため、注意しなければなりません。※2
このようなアレルギー症状を引き起こす物質を、アレルゲンあるいは抗原と呼びます。鶏卵アレルギーの人の場合は、鶏卵がアレルゲン(抗原)です。※1
食物アレルギーは、乳幼児から大人まで幅広い世代に見られる疾患ですが、その有病率は年齢によって大きく異なります。
患者の多くは子どもで、乳幼児では5~10%、学童期(6~12歳)では1~3%が何らかの食物アレルギーを持っているといわれています。※3
ただし、成長してから発症するケースもゼロではありません。乳幼児の食物アレルギーは成長とともに症状が出なくなることが多い一方で、成長してから発症した場合、自然と症状が消失するケースは非常にまれです。つまり、大人が発症した場合は、長期的にアレルギーと付き合っていく可能性が高いといえます。※2

食物アレルギーのアレルゲンになりやすい食べ物には、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、食物アレルギーの主なアレルゲンについて解説します。
食物アレルギーは、食物に含まれているタンパク質がアレルゲンとなります。 ただし、どの食物のタンパク質がアレルゲンとなるかは人それぞれです。同じ食物を食べても、ある人はアレルギー反応を示し、ある人は何も問題ないということがあります。
日本では、食物アレルギーのアレルゲンとして鶏卵、牛乳、小麦が全体の3分の2を占めています。中でもアレルゲンの35%近くを占めるものが鶏卵です。※1
「アレルギー」は、本来は無害な物質に対して免疫系が過剰に反応してしまう症状のことです。これに対して「アレルゲン」は、アレルギーを引き起こす原因となる物質のことを指します。
食物アレルギーの場合、アレルゲンは小麦や牛乳といった食べ物です。花粉症(アレルギー性鼻炎)の場合のアレルゲンは、スギ花粉やイネ花粉等です。※3
食べ物には、アレルゲンになりやすいものとそうでないものがあります。
乳幼児期に主要なアレルゲンとなるのが、前述の「鶏卵」「牛乳」「小麦」の3大アレルゲンです。
例えば、3歳の場合、もっとも多いのが鶏卵アレルギー、次が牛乳アレルギーで、この2つで全体の約6割を占めています。なお、この3つに「大豆」と「米」を加えた5種類の食べ物を5大アレルゲンと呼ぶこともありますが、実際には大豆と米はそれほど多くありません。※3
また、主要なアレルゲンは年齢によっても異なります。成長するに従って鶏卵・牛乳・小麦がアレルゲンとなるケースは減少し、えび、かに、魚類、果物等のアレルギーが増えてきます。
食物アレルギーの原因となるアレルゲンが使われている食べ物には、どのアレルゲンが含まれているかを表示することが定められています。
表示の対象となるアレルゲンには、必ず表示しなければならない「特定原材料(8品目)」と、表示が推奨されている「特定原材料に準ずるもの(20品目)」があります。
合計28品目の一覧は次の通りです。※3
| 特定原材料(8品目) |
|---|
| えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生(ピーナッツ) |
| 特定原材料に準ずるもの(20品目) |
| アーモンド・あわび・いか・いくら・オレンジ・カシューナッツ・キウイフルーツ・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・バナナ・豚肉・マカダミアナッツ・もも・やまいも・りんご・ゼラチン |
食物アレルギーと付き合っていくには、何よりもアレルゲンを口にしないことが重要です。
市販されている加工食品やお菓子等を購入するときは、商品のラベルやパッケージにあるアレルギー表示をチェックしましょう。
ただし、1点注意したいのが、全ての商品にアレルギー表示が義務付けられているわけではない点です。店頭で量り売りされる商品や、注文後に調理される弁当等には表示がないこともあります。
これは、アレルギー表示の義務は、原則として容器包装された食品のみが対象となるためです。また、「卵」は鶏卵やウズラ卵といった食用の鳥の卵、「乳」は牛乳が表示対象となるため、それ以外の魚卵や山羊乳はアレルゲン表示の対象外です。※3
そのため、まずは自分のアレルゲンと表示ルールについて理解し、リスクを避けることを心がけましょう。

食物アレルギーを持つ人が原因となるアレルゲンの食物を摂取すると、命に関わる重篤な症状を起こすこともあります。自分自身や周囲の人の健康を守るためにも、食物アレルギーの症状について知っておきましょう。
食物アレルギーの症状は、人によって様々です。まずは、一般的にどのような症状が出るのかを解説します。
食物アレルギーの症状は大きく2つに分けられます。
ひとつは即時型食物アレルギー、もう1つは非即時型食物アレルギーです。即時型食物アレルギーは食物を摂ってから2時間以内に症状が起きます。
一方、非即時型食物アレルギーは、数時間以上、場合によっては数日たってから症状が現れるものです。どちらのタイプになるのかは人によって異なりますが、即時型食物アレルギーのほうが数多く報告されています。※2
食物アレルギーを持つ人がアレルゲンを口にすると、身体の様々な部位に症状が出ます。これらは、体内に取り込まれたアレルゲンを体内の免疫系が誤って攻撃しているサインです。
▼部位ごとに起こる主なアレルギー症状
・皮膚…かゆみ、じんましん、赤み等
・目…結膜の充血、かゆみ、まぶたの腫れ等
・口やのど…違和感、イガイガ感、唇や舌の腫れ等
・鼻…くしゃみや鼻汁、鼻づまり等
さらに、声がかすれたり、犬が吠えるような咳が出たり、息苦しくなったりといった呼吸器の症状や、腹痛や吐き気、下痢等の消化器の症状が出ることも少なくありません。さらに、心臓の働きに影響して脈が速くなったり手足が冷たくなったりする循環器症状や、元気がなくなる、意識がもうろうとするなどの神経症状が現れるケースもあります。
症状が重篤化すると、アナフィラキシーという危険な状態になります。アナフィラキシーとは、皮膚や呼吸器、循環器等、複数の臓器に強いアレルギー症状が現れることを指します。皮膚が赤くなる、咳き込む、呼吸が苦しくなる等の複数の激しい症状が同時に出るのが特徴です。
アナフィラキシーの症状がさらに進行し、血圧低下や意識障害を伴った状態が、アナフィラキシーショックです。アナフィラキシーショックは生命を脅かす大変危険な状態のため、もしも発症した場合は、一刻も早く医療機関で治療を受けましょう。※1
食物アレルギーの症状は、部位により頻度が異なりますが、もっともよく見られるのは皮膚の症状です。実際に即時型の食物アレルギーで受診した患者の86.6%の方に、かゆみやじんましん等の皮膚症状が現れていることが分かっています。
一方、呼吸器や粘膜、消化器の症状は約3~4割程度で、皮膚症状ほど割合は高くありません。しかし、これらの症状は重篤化すると命に関わることもあります。
特に注意しなければならないのはショック症状です。調査対象の10.8%に見られたショック症状は、非常に重篤です。実際、日本では毎年3人程度が食物によるアナフィラキシーショックが原因で亡くなっています。※1
子どもの食物アレルギーでよく言われるのは「大きくなると症状が治まる」ということです。
確かに即時型食物アレルギーは、成長とともに症状が出にくくなり、原因となる食物を食べても症状が出なくなることがあります。これを耐性獲得と呼びます。鶏卵や牛乳、小麦、大豆といった食物に対するアレルギーは、時間とともに症状が軽減されることが多いといえます。
しかし、全ての食物アレルギーが治まるわけではありません。特にピーナッツやナッツ類、甲殻類、魚類、果物等のアレルギーは、耐性を獲得しにくい傾向があります。※1

今のところ、食物アレルギーを根本的に治療する方法はありません。そのため、アレルギーを引き起こす食物を食事から取り除く食事療法によって対応します。食物アレルギーの原因となっている食べ物を正確に知るには、病院で医師の判断のもと、血液検査や皮膚試験、食物経口負荷試験を受けましょう。
ただし、このとき問題なく食べられる食品まで取り除いてしまうと、身体に必要な栄養が不足してしまう恐れがあります。特に成長期の子どもたちにとって、栄養は非常に大切です。そのため食事療法では、必要最小限を除去することが重要です。※1
食物アレルギーとの付き合い方の基本は、アレルギー症状が出る食物だけを避けるという方法です。例えば、卵アレルギーの場合は、鶏卵を含む食物を食べないようにします。卵はパンやお菓子等の加工食品にも含まれていることが多いため、食品ラベルで含まれていないか確認しましょう。
しかし、血液検査や皮膚試験で食物アレルギーの陽性反応が出ているにもかかわらず、該当食物を飲食しても、症状が出ないことがあります。このような場合、該当食物の完全除去はすすめられません。食物経口負荷試験をおこない、必要最小限の分量を除去するように指導されるケースが多く見られます。※1
医師の適切な指示によって、原因食物を食べられる範囲まで食べる方法もあります。これは食物アレルギーがあっても、原因となる食物を少量、あるいは加熱調理した状態なら食べられることがあるためです。
そもそもアレルギー症状が発現するまでの食物の許容量は、人によって異なります。また加熱調理によってアレルゲンが弱まり、症状が出にくくなることもあるため、自己判断で完全除去しないようにしましょう。

食物アレルギーは、身体の免疫システムの異常により起こります。免疫システムを正常に保つには、水分補給が欠かせません。なぜなら、水分は血液の流れをスムーズにして、免疫システムの働きを助けるからです。
例えば、水分不足によって血液がドロドロになってしまうと、体中に酸素を運ぶ働きが低下します。酸素がうまく運ばれない状態では、細胞の活動力が下がり、結果的に免疫力の低下にもつながりかねません。
しかし、しっかりと水分補給をすれば血液はサラサラになり、酸素が体中にスムーズに運ばれるようになります。さらに、お水をたくさん飲むと排尿の回数が増え、身体の老廃物が排出されるというメリットもあります。※4
とはいえ、忙しい日々の中でつい水分補給がおざなりになってしまう方もいるのではないでしょうか。そんなときは、ウォーターサーバーを導入するのがおすすめです。
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