お弁当づくりは、メニューをはじめ、栄養バランスや時間等、考えることがいっぱいです。毎日のお弁当に何を入れるか考えるのは本当に大変で、詰め方等に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
お弁当づくりで大切なのは、ポイントをおさえておくこと。この記事ではお弁当づくりに役立つ基本のルールや簡単にできるレシピを紹介します。
目次
子どもやパートナーのお弁当をつくるときは、おいしく、栄養があり、喜んでもらいたいと思うものですよね。とはいえ、毎日バラエティに富んだメニューを考えるのは大変です。しかし、ポイントをおさえておけば、お弁当づくりは意外と簡単になります。
まずは「これだけ知っておけば大丈夫」というポイントを紹介します。
お弁当のふたを開けたとき、彩りのきれいなお弁当はおいしそうで嬉しいものです。また彩りに気を付けることで、栄養バランスの偏り防止にもなります。
以下の色別食材を参考に、おかずで足りない色がないかチェックしてみましょう。赤・緑・黄・黒の食材を使ったおかずを組み合わせながら、ほかの食材で色を足すのもおすすめです。※1
色別の食材表 | |
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赤 | にんじん、パプリカ、トマト、海老、ハム、梅干し、ウインナー 等 |
緑 | ブロッコリー、ホウレン草、キュウリ、アスパラガス、オクラ 等 |
黄 | 卵、かぼちゃ、とうもろこし、黄色ミニトマト、さつまいも 等 |
黒 | 海苔、黒ゴマ、ひじき、黒豆、わかめ・昆布 等 |
その他 | ふりかけ、青のり、でんぶ、ナス、しいたけ、れんこん 等 |
お弁当のごはん:おかずの割合は、通常のごはんと同じと考えましょう。おおまかに、「主食5、主菜2、副菜3」が基本です。
詰める順番は「大きなものから」がポイント。以下のような手順で詰めましょう。きっちりすき間なく詰めると、持ち運んでも中身が動きにくく、片側に寄るのを防ぐことができます。
また、ポロポロこぼれるような小さなおかずは、カップにまとめて入れると食べやすくなります。
子どもは、体調や環境の変化等によって食べられる量が変わります。お弁当の量は「無理なく」食べられる量を基本とし、最初は家庭で食べる分量より少なめにすると良いでしょう。慣れてきたら、普段食べている量まで増やします。※1
お弁当を楽しみにしてもらえると、つくる側も嬉しいものです。そのためには食欲が湧くように、色がきれいな調味料入れや仕切り、カップ等を使って「楽しい!」と思える工夫をしてみましょう。
特に小さな子どもは、ごはんやおかずをかわいい形にすると喜んでくれます。ウインナーをタコさんやカニさんにカットしたり、りんごをウサギにしたりする「飾り切りおかず」は、ちょっとしたひと手間でできます。
飾り切りのハードルが高い方は、市販の型抜きを使って簡単アレンジできます。キャラ弁が簡単にできるアイテムも充実しているので、楽しみながらつくってみましょう。※1
お弁当のおかずにおすすめの簡単なレシピを紹介します。時短にもなるので、参考にしてみてください。
【所要時間】
5分
【材料(2人分)】
アスパラ:5本(100g)
かつお節:1袋(4g)
バター:10g
しょうゆ:小さじ1
【つくり方】
① アスパラの根元を切り落とし、下半分の皮はピーラーでむきます。斜め4㎝幅に切ります。
② フライパンを中火にかけてバターを入れ、溶け始めたらアスパラを入れ2分ほど炒めます。
③ しょうゆを加えてなじむまで炒めます。
④ 火を止めてかつお節を全体に和えます。
【ポイント】
アスパラとかつお節だけであっという間に副菜が1品できます。彩りにハムやベーコンを入れて炒めてもおいしいです。
【所要時間】
10分
【材料(2人分)】
れんこん:100g
ちくわ:2本
唐辛子(輪切り):小さじ1
ごま油:大さじ1/2
めんつゆ(3倍濃縮):大さじ2
白いりごま:少々
【つくり方】
① れんこんは縦に半分に切り、さらに横5mm幅に切ります。1度お水にさらして水気を切っておきます。
② ちくわは斜め5mm幅に切ります。
③ フライパンにごま油を入れ、れんこん、唐辛子を入れて炒めます。
④ ③にちくわを加えてサッと炒め、めんつゆを加えて炒めます。火を止めてから白いりごまをちらします。
【ポイント】
れんこんは透きとおるまで中火で炒めましょう。めんつゆがなければ、しょうゆと砂糖でも味付けできます。子ども用は唐辛子を抜くと良いでしょう。
【所要時間】
10分
【材料(2人分)】
豚バラ(薄切り):4枚
水菜:60g
梅干し:2個
片栗粉:大さじ1
(A)しょうゆ:小さじ2
(A)ポン酢:小さじ2
(A)酒:小さじ2
サラダ油:小さじ2
【つくり方】
① 水菜の根元を切り落とし、5㎝幅に切ります。
② 梅干しは種を取り除き、粗くたたいておきます。
③ 広げた豚バラ肉に②を薄く塗ります。
④ 切った水菜をのせて巻き、片栗粉をまぶします。
⑤ ボウルに(A)を入れて混ぜ合わせておきます。
⑥ フライパンにサラダ油をひき、④を中火で焼きます。
⑦ 全体に焼き色が付いたら、⑤をかけて中火で煮詰め、豚バラに火が通ったら火から下ろします。
【ポイント】
水菜を巻いた豚バラ肉を焼く際は、最初に巻き終わりを下にして焼くと、ほどけにくくなります。
【所要時間】
10分
【材料(2人分)】
卵:2個
ロースハム(薄切り):4枚
(A)みりん:小さじ1.5
(A)しょうゆ:小さじ1
(A)塩:少々
サラダ油:小さじ1
【つくり方】
① ボウルに卵を割り入れ、(A)を入れてよくかき混ぜます。
② 卵焼き用フライパンを中火で熱し、サラダ油を薄く引きます。
③ ①をフライパンに1/3入れます。卵が固まってきたらロースハムを1枚のせ、手前から巻いていきます。
④ 巻いた卵焼きを手前に移動させたら、③を2回繰り返します。
⑤ 卵に火が通ったら火から下ろし、4等分に切ります。
【ポイント】
いつもの卵焼きが、ハムをはさむことでうず巻き状のかわいいおかずに。黄と赤で彩りも良くなります。
【所要時間】
15分
【材料(2人分)】
ささみ:4本(200g)
サラダ油:大さじ1/2
塩:少々
片栗粉:大さじ1
(A)酒:大さじ1
(A)みりん:大さじ1
(A)砂糖:小さじ1
(A)しょうゆ:大さじ1
白いりごま:小さじ1
【つくり方】
① 筋を取り除いたささみを1㎝幅のそぎ切りにします。
② ボウルにささみと塩を入れてもみこみ、片栗粉を全体にまぶします。
③ フライパンにサラダ油を入れて熱し、②を入れて中火で焼きます。上下を返しながら肉の色が変わるまで両面を焼きます。
④ (A)を加えてとろみがつくまで煮からめます。火を止めてから白いりごまを加えて
混ぜます。
【ポイント】
調味料を混ぜておくのがポイント。とろみがついて、ごはんによく合うおかずになります。
お弁当を安全においしく食べるためには、食中毒にも注意が必要です。「つけない」「やっつける」「ふやさない」の大原則を覚えておきましょう。
調理前やトイレの後、調理中に生の肉や魚介類、卵を触ったときは、手を石けん等できれいに洗いましょう。指の間や爪の間も丁寧に洗うことが大切です。
手や指に傷がある場合には、調理用の手袋等で手を覆ってから調理します。手や指には食中毒菌の1つである黄色ブドウ球菌がついており、傷には菌が多いため、そのまま調理すると食材に菌が付着するリスクがあります。
お弁当箱はいつも清潔にして使いましょう。面倒でもふたのパッキンは外して洗います。パッキンを外した溝の部分には、泡タイプのスプレー洗剤や細いブラシ等を利用して、すみずみまでしっかり洗いましょう。
お弁当箱をきれいに洗ったら十分に乾かします。もし洗った直後にお弁当を詰めたい場合には、清潔なふきんやキッチンペーパー等でしっかり水気を拭き取ります。
キッチン用洗剤できれいに洗い、十分に乾燥させた調理器具を使います。盛り付ける際にも、清潔な菜箸や使い捨ての手袋を使うことが大切です。
野菜・果物・魚介類は使う前に流水でよく洗います。お肉は食中毒菌が飛散するため、洗うのはNGです。
シリコン製のカップは、すみずみまできれいに洗って乾燥させてから使いましょう。食中毒が起こりやすい梅雨の時期や夏場には、使い捨てカップの利用をおすすめします。※2
お弁当のおかずは、中心部までしっかり加熱することが大切です。見た目ではわかりにくいこともあるため、調理用温度計を使って確認するとよいでしょう。もちろん温度計も清潔しておくのも忘れないようにしましょう。
卵焼きやゆで卵等の卵料理は、半熟は避け、完全に火を通すようにしましょう。通常は火を通さずに食べるハムやかまぼこ等も加熱することをおすすめします。
【食中毒菌が死滅する加熱温度・時間の目安】
食中毒の原因微生物 | 菌が死滅する中心温度と時間の目安 |
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ノロウイルス | 85〜90℃で90秒(以上)加熱 |
腸管出血性大腸菌 カンピロバクター サルモネラ属菌 |
75℃で60秒(以上)加熱 |
リステリア | 65℃で数分加熱 |
※2
細菌は水分が多いと増殖しやすくなります。汁気の多いおかずはよく水分を切りましょう。また食品から水漏れしたり、ほかの食品に細菌が移ったりするのを防ぐために、仕切りや盛り付けカップが役立ちます。
生野菜や果物はよく洗い、水気をよく切ってから詰めます。容器を別にするとより安全です。水分が少ない揚げ物や焼き物等が、お弁当のおかずには適しています。※2
ごはんやおかずが温かいうちに詰めると、蒸気が水分となって傷む原因となります。ごはんやおかずは冷ましておき、熱が取れてから詰めましょう。※2
お弁当を日の当たる場所や温かいところに置いておくと細菌が増殖します。冷蔵庫での保管が理想ですが、できるだけ涼しい場所に保管し、早めに食べるようにしましょう。
長時間持ち歩く場合には、保冷バッグに保冷剤を入れて保管するのがおすすめです。ふたに保冷剤が入るお弁当箱も市販されているので、利用してみてはいかがでしょうか。※2
大変なお弁当づくりですが、ポイントをおさえておけば楽しくできます。「彩り豊かな食材を使う」「割合と詰め方」「楽しさ」を考えながら、ご自身も楽しみながらつくってみましょう。
また、お弁当を安全においしく食べるには、衛生面にも注意が必要です。基本ルールを守って、紹介したレシピを参考に、明日のお弁当づくりに活かしてみてください。