便が液状に近くなる下痢は、暴飲暴食や胃腸炎等によって起こる、誰もが経験する身近な症状です。下痢になると症状がひどくなることを心配して、水分を摂らない方もいます。
しかし、そのままだと脱水が進み、身体によくありません。それでは水分補給はどうすべきなのでしょうか。この記事では、下痢の時の水分補給におすすめの飲み物、食べ物について解説します。
目次
下痢とは、糞便中の水分量が泥状(水分80〜90%)あるいは水様便(水分90%以上)になった状態をいいます。体内に細菌や毒物が入る等、腸での消化や吸収がスムーズにいかないことが原因です。下痢には、突然症状が現れる急性の下痢と、症状が長く続く慢性の下痢があります。急性の下痢は感染症や物理的な刺激を原因とした場合が多く、慢性の下痢は過敏性腸症候群等が原因となります。※1
下痢のタイプは、浸透圧性下痢、炎症性下痢、分泌性下痢、蠕動運動性下痢、薬の副作用による下痢の5つに分類されます。いずれにしても、下痢になると水分や栄養が充分に吸収できません。
そのままだと体力が衰え、身体的な抵抗力も弱まるため、原因やタイプを把握して、適切に対応できるようにしておきましょう。ここでは、下痢のタイプについて解説します。
食事や薬が原因で腸での水分の吸収が妨げられ、便の水分量が増えた状態です。食べ過ぎ・飲み過ぎによる消化不良で起こる下痢の多くがこれに該当し、基本的に数日で治ります。
腸に炎症が起き、腸内の滲出液(組織や細胞からしみ出た液体)により便の水分量が増加して起こる下痢です。原因はサルモネラ菌等の細菌やウイルスによる感染症のほか、潰瘍性大腸炎やクローン病等の炎症性腸疾患が挙げられます。
腸から分泌される消化液が増加し、便の水分量が増えた状態の下痢です。主な原因は、コレラ菌、赤痢菌等により腸管内に入った毒素や、更年期のホルモンバランスの変化からくる自律神経の乱れ等があげられます。
腸での食物を運ぶ運動、蠕動(ぜんどう)運動が活発になり過ぎて、 腸での水分の吸収が妨げられて起こる下痢です。過敏性腸症候群等が原因の下痢が該当します。
薬の副作用で起きた「腸に炎症が起きる」「蠕動運動が激しくなる」「腸内細菌のバランスがくずれる」等が原因の下痢です。抗がん剤、抗菌薬、消化器用薬等の一部の薬で副作用が起こる場合があります。※2
下痢になると体内の水分と塩分等の電解質が失われ、脱水症状になりやすいので、普段よりもしっかり水分を摂りましょう。
水分は人体の大半を構成する成分なので、大人は1日に2.5Lの摂取が必要です。水分は栄養を分解したり、細胞に届けたり、汗で体温調節をおこなったりと様々な生命活動を助けています。
身体から水分が1%減少するだけでのどが渇き、20%減少すると死に至ります。下痢の時こそ、こまめな水分補給が必要なのです。※3
下痢になると消化が悪くなり、便から必要な栄養分が出てしまうので、食べ物や飲み物で補充する必要があります。ここでは消化が良く、腸への刺激が少ないおすすめの食べ物や飲み物を紹介します。
下痢の時は腸への負担を避けるため、消化がよく、柔らかい食べ物を中心とした食事を摂るのが基本です。症状に合わせて流動食に近い食べ物を食べ、体調の回復とともに日常の食事に戻していきます。
また、一食の量を減らし、数回に分けてこまめに食事を取るように心がけましょう。栄養不足にならないようにタンパク質、ビタミン、ミネラル等を含んだバランスの良い食事を意識することも大切です。
油分や脂肪の多い揚げ物や炒め物は、消化に悪いので控えましょう。調理では、油を使わない「煮る」「蒸す」「ゆでる」をメインとした料理がおすすめです。
お菓子も油分の多いポテトチップ等より、ヨーグルトやプリン等の柔らかい食べ物がおすすめです。※4
腸を刺激する冷たい飲み物よりも温かい飲み物がおすすめです。温かいお茶や白湯等をこまめに摂りましょう。
不足しやすいミネラルやビタミンを一緒に補給できる味噌汁やスープ、野菜ジュース等もおすすめです。夏の熱中症予防に有効な経口補水液、スポーツドリンクも活用してください。
コーヒーやアルコール飲料、タマネギ、ニンニク等は腸に刺激が強い飲食物です。腸に負担がかかり下痢が悪化する可能性があるため、治るまでは避けましょう。※4
下痢の時は、腸への刺激が強く、消化の悪い飲食物は避けてください。嘔吐や腹痛を引き起こし、かえって水分や栄養分が失われてしまう恐れがあります。ここでは避けたい食べ物や飲み物について紹介します。
食物繊維は消化されにくく、腸に負担がかかります。ごぼう等の食物繊維の多い野菜をはじめ、果物、海藻、きのこ、こんにゃく等の摂取は控えましょう。
辛い食べ物は腸に刺激を与え、消化を悪くしてしまいます。カレー等の香辛料を使った食べ物、酸味の強い食べ物、油っぽい食品、コーヒー、アルコール飲料、炭酸飲料等は避けましょう。
豆、いも類、かぼちゃ、栗等、腸内で発酵してガスが発生する食べ物も避けましょう。発生したガスは腸を刺激するので、栄養のある食べ物であっても、下痢の時は摂取を控えてください。
冷たい食べ物や飲み物は、腸を刺激し、症状が酷くなるので避けてください。お水であれば、冷水よりも白湯の摂取をおすすめします。
また、食事の時にはよく噛んでゆっくり食べることを意識。よく噛むと食べ物は体温に近い温度になり、腸への刺激が少なくなります。※4
子どもの下痢は、大人よりも食事の内容に気を配る必要があります。
人間の身体を占める水分量は大人が60%、子どもが70〜80%です。水分の割合が多い子どもは、失われる水分量がわずかでも影響が大きく、大人よりも脱水症になりやすいといえます。
したがって子どもが下痢の際は、水分補給をしっかりおこないましょう。特に重症化しやすい乳幼児は、適切な水分摂取が重要です。※5
子どもが下痢の時の水分補給には、適度な糖分と塩分が入った経口補水液やスポーツドリンクが向いています。
ただしスポーツドリンクは、糖分が多く虫歯や肥満の原因となる可能性があるため、お水の代わりに長期間飲ませるのには不向きです。症状が収まったら摂るのをやめましょう。嘔吐がある場合は、一度にたくさん飲ませずにスプーンやスポイトを使って、少しずつこまめに飲ませましょう。
いつもよりミルクと離乳食の量を減らして水分量を増やします。何度も嘔吐を繰り返す場合は、早めに医師に相談してください。
1回のお水の量を半分以下に減らし、飲む回数を増やしてください。それでも下痢がよくならない時は、医師に相談しましょう。※5
下痢をしている子どもの水分補給に良い、経口補水液の作り方を紹介します。
湯冷ましまたはミネラルウォーター1Lに、砂糖40g(大さじ4と1/2杯)と、食塩3g(小さじ 1/2 杯)をよく混ぜます。
そこにレモンやグレープフルーツ果汁を少量加えましょう。飲みやすくなるうえ、塩分(ナトリウム)と合わせてカリウムの補給もできます。※5
脱水状態になりやすい下痢の時にこそ、こまめな水分補給が重要です。 腸を刺激する冷たい飲み物は避け、栄養素も補えるスープや野菜ジュース、経口補水液、スポーツドリンク等を摂りましょう。
スープや経口補水液を作る際には、いつでも温水が使えるウォーターサーバーがあると便利です。もちろん冷水も出るので、常温水や白湯も簡単に作ることができます。
中でも最近人気なのが、浄水型ウォーターサーバー「Slim-R(スリムアール)」です。優れたろ過能力により、塩素やトリハロメタンをはじめ28種類の不純物を除去。もちろん水道水に含まれるミネラル成分はそのままです。
水道水を注ぐだけできれいなお水が飲め、面倒な工事は必要ありません。エコモードで電気代の節約も可能。さらに温水チャイルドロックもあるので、お子様のいる家庭でも安心です。
下痢気味で悩んでいる方、子どもの水分補給に気を配りたいという方は、ぜひ「Slim-R(スリムアール)」を検討してみてはいかがでしょうか。