防災対策として備えておきたいグッズやセットは?

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地震や台風、土砂災害等、自然災害は突然襲ってきます。自然の力は私たちの想像をはるかに超える力で、日常生活を奪っていきます。

日頃から防災対策をしておけば、自身と家族の命を守り、被害を最小限に食い止めることができます。災害が起きてからでは間に合いません。日頃から防災グッズやセットを準備しておきましょう。

今回は、避難への備えや備蓄に関してだけでなく、災害に遭ってしまった際の安否確認方法についても合わせて紹介します。

防災対策で重要な「自助」

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防災対策では「自助」「共助」「公助」の3つが大切といわれます。中でも個人が自分で自分を守る「自助」が重要であり、災害発生時にはまず自分と家族の命を守らなければなりません。

地域や近隣の人たちで助け合う「共助」や、国・自治体等が取り組む「公助」は、災害発生からある程度時間が経ってからでないと期待できないことを理解し、まずは自分と家族の安全を確保することが最優先です。では「自助」をおこなうために、どのようにすれば災害時に身を守れるかを知っておきましょう。

自宅や職場付近のハザードマップを確認して、災害リスクを認識し、何が必要か、どのように避難すれば良いか等、日頃から考えておく必要があります。また、支援物資が届くまでに時間がかかる場合もあるため、生き延びるためのお水や食料等の備蓄も重要です。※1

避難への備え

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大きな災害が発生すると、電気・ガス・水道・通信等が停止する可能性があります。これらのライフラインが止まると、家電はほぼ使えず、普段の生活ができなくなります。
ライフラインが停止しても最低限の生活が確保できるよう、日頃から飲料水や非常食を備蓄しておきましょう。

災害発生時にいる場所が危険である場合には避難しなければなりません。自宅が危険なケースもあるため、地域の避難場所だけでなく、知人や親戚宅等への避難が可能なのか確認しておくことも重要です。

避難生活に必要なものは「非常用持ち出し品」としてリュックサックに詰めておき、すぐに持ち出せるよう、取り出しやすい場所に置いておきましょう。災害によって倒れた家具等で家の中が散乱することもあるため、災害が起こる前の準備が大切です。
また、慌てず避難するためにも、避難場所や避難経路は事前に確認し、家族と共有しておきましょう。
各自治体の公式webサイトや国土交通省ハザードマップポータルサイト等から防災マップやハザードマップが入手できます。※1

用意しておきたい備蓄品

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自宅が危険箇所であったり、被災したりした場合は避難生活を余儀なくされます。下記のチェックリストを参考に、あらかじめ備蓄品を非常用袋やリュックサックに詰めておき、すぐに持ち出せるように準備しておきましょう。

災害時に備えた備蓄品の例

備蓄品を準備するといっても、何を揃えておけば良いか、わからないこともあるでしょう。以下の項目と量を参考にしてください。※2

自宅に揃えておくべき必需品備蓄リスト

・飲料水
・食品(ご飯(アルファ化米)、ビスケット、板チョコ、乾パン等)
・衣類、下着
・衛生用品(トイレットペーパー、ティッシュペーパー等)
・マッチ、ろうそく
・カセットコンロ

広範囲かつ大規模な被害が予想される場合、7日間以上の備蓄が望ましいという指摘もあり、該当する地域の方は周到な準備をしておきましょう。

また飲料水とは別に、物を洗ったりトイレを流したりするお水(生活用水)が必要です。日頃から「水道水を入れたポリタンク等を用意しておく」、「お風呂のお水を常に張っておく」等、備えておくと良いでしょう。※3

非常持ち出し袋(防災バッグ)の例

非常時に持ち出すために準備する物品の例を紹介します。非常持ち出し袋(防災バッグ)に入れられる備品はスペースが限られているので、厳選してあらかじめ用意しておきましょう。
リスト以外にも必要になるものがある場合は、家族と話し合っておきましょう。

非常用持ち出し袋(防災バッグ)に備えておくべき備品リスト

・飲料水
・食品(カップ麺、ビスケット、板チョコ、乾パン等)
・衣類、下着
・衛生用品(マスク、ウェットティッシュ、体温計)・マッチ、ろうそく
・救急用品(ばんそうこう、包帯、常備薬等)
・軍手、安全靴
・懐中電灯
・ヘルメット、防災ずきん
・携帯ラジオ、予備電池(手動式)
・洗面用具(歯ブラシ、歯磨き粉)
・貴重品(預金通帳、印鑑、現金、健康保険証等)
・防寒対策(毛布、タオル、使い捨てカイロ)
・防暑対策(帽子、携帯扇風機)
・レインウェア、折り畳み傘
・ペン(油性ペン)、ノート

感染症対策に使用する衛生用品の例

上記の持ち出しリストにも記載したように、コロナウイルスやインフルエンザウイルス等の感染症対策で必要な物品の例を紹介します。※1
避難所等に移動した場合、密集した環境での感染拡大を防ぐために非常に重要です。

・マスク
・ウェットティッシュ
・体温計
・せっけん、ハンドソープ(洗い流す必要のないもの)

食品の備蓄が大切

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大きな災害が起こると、電気やガス、水道等のライフラインが止まるだけでなく、道路が寸断されて物流が機能しなくなり、コンビニやスーパーから食料品がなくなる恐れもあります。お店で購入できないのはもちろん、災害支援物資さえ届かない状況も考えられるので、最低で3日分×人数分、できれば7日分×人数分の食品を備蓄するのが理想です。

家庭でストックしている食品をチェックし、家族の人数や年齢、好み等に応じて栄養バランスを考えた備蓄内容や量を検討しておきましょう。※3

必需品

命を守るための必需品は、お水・カセットコンロ・カセットガスボンベです。それぞれどのくらいの量を用意すれば良いのか解説します。

【大人2人分の場合】
● お水…… 6L程度/1日
● カセットコンロ……1台
● カセットガスボンベ……1人1本程度/1日

お水はもちろん、カセットコンロ等、電気やガスを使用しない熱源も必需品です。お水は飲用と調理用水として1日あたり1人3L程度が必要とされています。それ以外にもレトルトの湯せんや食器洗い等に使うお水も必要です。

水道水は消毒用に塩素が入っているため、3日程度はくみ置きでも飲料水として使えます。
保存する場合は清潔な容器の口いっぱいに入れ、フタをしっかりして涼しい場所に置きましょう。また、冷蔵保存する場合は10日程度保存可能です。

Loccaの浄水型ウォーターサーバーについては、ウォーターサーバーのタンク内にお水を注いだあとは、2~3日程度で飲み切るようにしてください。
保存期間を過ぎてしまった場合は、飲用を控え出水口から全てのお水を出し切り、飲用水ではなく、生活用水として活用してください。

カセットコンロはライフラインが停止しても、お湯を沸かしたり、レトルト食品を温めたりできます。カップ麺や温かい飲み物が作れると、非常時の緊張感や不安を和らげることにもつながります。カセットコンロ用のガスボンベは1人1週間あたり約6本必要なので、人数分ストックしてください。※3 

主菜

災害直後はとりあえず食べることに目が向き、炭水化物ばかりを摂りがちです。避難生活が長引けば栄養バランスが崩れ、体調不良や病気を招いてしまうため、主菜を揃えておきましょう。

缶詰は普段の料理にも使えるのでストックしやすく、手軽にタンパク質が摂れる上に長期保存もできます。ツナ、サバ、イワシ等の魚介、コンビーフや牛肉、焼き鳥等、肉類の缶詰がおすすめ。肉や魚を使ったレトルト食品もあると便利です。

具体的な量は以下の通りです。※3

【大人2人分】
● 肉・野菜・豆等の缶詰……18缶
● 牛丼の素やカレーの素等のレトルト食品……18個
● パスタソース等のレトルト食品……6個

主食

主食は糖質なのでエネルギー源となります。いくつか種類があると飽きずに食べられます。※3

【大人2人分】
● お米……2kg×2袋
● カップ麺類……6個
● パックご飯……6個
● 乾麺……そうめん300g×2袋・パスタ600g×2袋

副菜と果物

災害時は新鮮な野菜が入手できず、野菜不足になりがちです。ビタミンやミネラル、食物繊維等が不足し、便秘や口内炎に悩んだという被災者の声もあります。※3

普段からじゃがいも、たまねぎ、かぼちゃ等、日持ちのする野菜を多めに買い置きし、常備しておきましょう。さらに野菜ジュースやドライフルーツ等があると便利です。果物はおやつ代わりにもなります。

【大人2人分】
● 梅干し、漬物、日持ちする野菜類
● 野菜の缶詰、野菜ジュース
● りんご、みかん、柿等日持ちするフルーツ
● 果物の缶詰
● フルーツジュース
● ドライフルーツ 

その他

避難生活では手軽に食べられるインスタント食品やお菓子等も重宝します。また食事をおいしくするための調味料も忘れずに準備しましょう。※3

【準備する例】
● お菓子・嗜好品……飴、ようかん、チョコレート、ビスケット、せんべい、スナック菓子等
● 調味料……みそ、しょうゆ、塩、砂糖、酢、食用油、マヨネーズ、ケチャップ等
● インスタント食品……みそ汁、カップ麺、即席スープ等

食品の備蓄のコツ

食品を備蓄するコツは以下の3つです。

蓄える・食べる・補充を繰り返して、常に一定量の食品が備蓄されていることを「ローリングストック法」と呼びます。いつも食べているカップ麺や缶詰、インスタント食品等を少し多めに買い置きし、賞味期限の古い順から消費して、消費した分を補充するだけなので、簡単に始められます。※3

安否確認の方法も忘れずに

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これまで備蓄品や備蓄のコツを紹介しましたが、今段落では実際に災害に遭ったときの安否確認方法について紹介します。

家族が別の場所にいるときに被害にあった場合、お互いに安否確認ができるよう、家族で確認の方法や集合場所等を決めておきましょう。災害時には携帯電話の回線がつながりにくくなるケースも想定されるため、下記のサービス利用がおすすめです。使い方を確認しておくと、いざというときに役立ちます。

災害用伝言ダイヤル

局番なしの「171」に電話をかけると伝言を録音できます。再生するには相手の電話番号や暗証番号が必要なので、事前に家族で使い方を確認しておきましょう。※6

災害用伝言板

災害用伝言ダイヤルのWEB版です。スマートフォンや携帯電話からインターネットサービスを使って「web171」にアクセスし、文字情報を登録できます。自分の電話番号を知っている家族等が全世界から情報を見られます。※7

災害用伝言ダイヤルや災害用伝言板の存在を忘れないために、持ち出し袋に入れているノートにしっかりと記載しておくと、いざというときに活用できます。緊急時に落ち着いて行動できるよう、事前に利用方法を把握しておくことが大切です。

災害に備え事前に準備をしておきましょう

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災害はいつ起こるかわからないからこそ、普段からの備えが大切です。「自助」ができるよう日頃からお水や食品を備蓄し、すぐに持ち出せるよう準備しておきましょう。

参考文献

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