食物アレルギーとは?お水との関係についても解説

  • ツイートする
  • LINEで送る

かゆみやじんましん、強いショック等が起こる食物アレルギー。特定の食物を口にすると、繰り返し様々な症状に悩まされる食物アレルギーは、子どもだけでなく大人にも見られ、年々増加しています。

この食物アレルギーに関係しているかもしれないといわれているのが「お水」です。この記事では食物アレルギーの解説とお水との関係についても紹介します。

食物アレルギーってどんなもの?

そもそも食物アレルギーになると、体内ではどのような反応が起こるのでしょうか。ここでは、食物アレルギーについて解説します。

食物アレルギーとは?

食物アレルギーとは、本来身体を守るために働く免疫系統が、食物に対して過敏に反応してしまうことを指します。※1

そもそも人間の身体には、異物が入ってきたときにそれを攻撃して排除しようとする働きがあります。これを免疫反応といいます。例えば風邪の菌が体内に入っても、風邪の症状が出ないことがあるのは、このような免疫反応が働いているからです。
しかし、本来は身体に害を与えないはずの食物を異物と勘違いし、免疫反応が過剰に働いてしまうことがあります。その結果、現れるのがじんましんやかゆみ、咳等のアレルギー症状です。このようなアレルギー症状を引き起こす物質を、アレルゲンあるいは抗原と呼びます。※1

食物アレルギーの主なアレルゲン

食物アレルギーは、食物に含まれているタンパク質がアレルゲンとなります。 ただし、どの食物のタンパク質がアレルゲンとなるかは人それぞれです。同じ食物を食べても、ある人はアレルギー反応を示し、ある人は何も問題ないということがあります。

日本では、食物アレルギーのアレルゲンとして鶏卵、牛乳、小麦が全体の3分の2を占めています。中でもアレルゲンの35%近くを占めるものが鶏卵です。※1

食物アレルギーってどんなもの?

食物アレルギーの症状は大きく2つに分けられます。ひとつは即時型食物アレルギー、もう1つは非即時型食物アレルギーです。即時型食物アレルギーは食物を摂ってから2時間以内に症状が起きます。

一方、非即時型食物アレルギーは、数時間以上、時には数日たってから症状が現れるものです。どちらのタイプになるのかは人によって異なりますが、即時型食物アレルギーのほうが数多く報告されています。※2

症状の種類

食物アレルギーの症状は、身体の色々な部位に影響を及ぼします。これらは、身体がアレルゲンに対抗しているサインです。

部位ごとに起こる主なアレルギー症状
皮膚…かゆみ、じんましん、赤み等
目…結膜の充血、かゆみ、まぶたの腫れ等
口やのど…違和感、イガイガ感、唇や舌の腫れ等
鼻…くしゃみや鼻汁、鼻づまり等

さらに、声がかすれたり、犬が吠えるような咳が出たり、息苦しくなったりといった呼吸器の症状のほか、腹痛や吐き気、下痢等の消化器の症状が出ることもあります。
心臓の働きに影響が出て脈が速くなったり、手足が冷たくなったりするケースもゼロではありません。元気がなくなったり、意識がもうろうとなったり等の神経系の症状が現れることもあります。

これらの症状が重篤化すると、アナフィラキシーという危険な状態になります。さらに進行して血圧低下や意識障害を伴った状態が、アナフィラキシーショックです。これらの症状は生命を脅かす非常に危険な状態のため、アナフィラキシーの疑いがあるときはすぐに医療機関に連絡しましょう。※1

多いのはかゆみやじんましん等の皮膚症状

食物アレルギーの症状は、部位により頻度が異なりますが、もっともよく見られるのは皮膚の症状です。実際に即時型の食物アレルギーで受診した患者の86.6%の方に、かゆみやじんましん等の皮膚症状が現れていることが分かっています。
一方、呼吸器や粘膜、消化器の症状は約3~4割程度で、皮膚ほどの頻度はありません。しかし、これらの症状は重篤化すると命に関わることもあります。

特に注意しなければならないのはショック症状です。調査対象の10.8%に見られたショック症状は、非常に重篤です。実際、日本では毎年3人程度が食物によるアナフィラキシーショックが原因で亡くなっています。※1

成長とともに症状は治まる?

幼い子どもの食物アレルギーでよく言われるのは「大きくなると症状が治まる」ということです。

確かに即時型食物アレルギーは、成長とともに症状が出にくくなり、原因となる食物を食べても症状が出なくなることがあります。これを耐性獲得と呼びます。鶏卵や牛乳、小麦、大豆といった食物に対するアレルギーは、時間とともに症状が軽減されることが多いといえます。
しかし、全ての食物アレルギーが治まるわけではありません。特にピーナッツやナッツ類、甲殻類、魚類、果物等のアレルギーは、耐性を獲得しにくい傾向があります。※1

食物アレルギーとの付き合い方

食物アレルギーと上手に付き合うための基本は食事療法です。食事療法では、アレルギーを引き起こす食物を食事から取り除くようにします。どの食物が原因であるのかを正しく知るためには、医師による血液検査や皮膚試験等が有効です。
ただし、ここで本来食べられる食物まで取り除いてしまうと、身体に必要な栄養が不足してしまう恐れがあります。特に成長期の子どもたちにとって、栄養は非常に大切です。そのため食事療法では、必要最小限を除去することが重要です。※1

症状が出る食物だけを除去

食物アレルギーとの付き合い方の基本は、アレルギー症状が出る食物だけを避けるという方法です。例えば、卵アレルギーの場合は、鶏卵を含む食物を食べないようにします。卵はパンやお菓子等の加工食品にも含まれていることがあるため、食品ラベルで含まれていないか確認しましょう。

しかし、血液検査や皮膚試験で食物アレルギーの陽性反応が出ているにもかかわらず、該当食物を飲食しても、症状が出ないことがあります。このような場合、該当食物の完全除去はすすめられません。食物経口負荷試験をおこない、必要最小限の分量を除去するように指導されるケースが多く見られます。※1

原因食物を食べられる範囲まで食べる

医師の適切な指示によって、原因食物を食べられる範囲まで食べる方法もあります。これは食物アレルギーがあっても、原因となる食物を少量、あるいは加熱調理した状態なら食べられることがあるためです。

そもそもアレルギー症状が発現するまでの食物の許容量は、人によって異なります。また加熱調理によってアレルゲンが弱まり、症状が出にくくなることもあるため、自己判断で完全除去しないようにしましょう。

アレルギー表示をチェック

食べ物の選び方も、食物アレルギーと付き合っていく上で重要です。スーパーでお菓子を選ぶときや、お弁当を買うとき等は、商品のラベルにあるアレルギー表示をチェックするようにしましょう。

表示の義務があるもの(特定原材料8品目)
えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生

日本では、えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生の8品目について、食品衛生法によりアレルギー表示が義務付けられています。※3
従来はくるみを除く7品目でしたが、令和5年3月にくるみが追加され8品目となりました。※4

さらに、別の20品目についても表示が推奨されています。1点注意したいのは、全ての商品にアレルギー表示があるわけではないということです。店頭で量り売りされる商品や、注文して作られる弁当等には表示がないこともあります。また、「卵」や「乳」といった表示があっても、それが魚卵や山羊乳を含むのか否かは表示されません。これらはアレルギー表示の対象外です。※3
そのため、まずは自分のアレルゲンについて理解しておくことが大切です。

アレルギーには水分補給が大切

食物アレルギーは、身体の免疫システムの異常により起こります。この免疫システムを正常に保つには、水分補給が欠かせません。なぜなら、水分は血液の流れをスムーズにして、免疫システムの働きを助けるからです。

例えば、血液がドロドロになってしまうと、体中に酸素を運ぶ働きが悪くなります。酸素がうまく運ばれないと、細胞の活動力が低下し、結果的に免疫力も下がってしまうこともあります。

しかし、しっかりと水分補給をすることで血液はサラサラになり、酸素が体中にスムーズに運ばれるようになります。さらに、お水をたくさん飲むとトイレに行く回数が増え、身体の老廃物が排出されるというメリットもあります。※5
食物アレルギーに悩んでいる方は、毎日こまめにお水を飲むよう心がけましょう。

きれいなお水を飲んで免疫を整えておきましょう

食物アレルギーと上手に付き合っていくために、食事療法に加えて、しっかりと水分を摂ることもぜひ意識してみてください。水分不足のままだと、免疫力が下がったり、脱水症状になったりする可能性があります。
しかし忙しい日々の中で、つい水分補給がおざなりになってしまう方もいるのではないでしょうか。そのような方はウォーターサーバーを活用し、手軽においしいお水が飲める環境を作っておきましょう。

家庭の水道水を高性能カートリッジできれいにろ過するウォーターサーバー「Slim-R(スリムアール)」は、面倒な工事は一切必要ありません。
水道水を注ぐだけでおいしいお水が飲めるうえ、いつでもお湯を使えるので、お料理を作るのにも便利です。Loccaを導入して、おいしいお水をいつでもたっぷりと摂れるようにしてみませんか。

参考文献

コラム一覧に戻る