真水とは?水道水・淡水・ミネラルウォーター等との違いを解説!

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私たちの周りには様々な種類のお水があり、それぞれ異なる名前で呼ばれています。「海水には塩分が含まれているので飲むのに適さない」「洗濯は真水でする」等、特に意識することなく、お水を使い分けている方も多いのではないでしょうか。

お水の中でも生活に欠かせないといわれるのが、飲用水にしたり汚れものを洗ったりするのに使われる「真水」です。

今回は、真水とはどういったお水のことなのかを紹介しつつ、ほかのお水とどう違うのかを解説します。

真水とはどんなお水?

真水という表現は、日常の様々なシーンで使われています。まずは真水がどのようなお水のことなのかを知っておきましょう。

真水とは

真水という言葉を辞書で引くと、次のように記されています。

  • 塩分等をほとんど含まないお水
  • 海水に対して、川や湖等のお水
  • 沸かしていない飲用水

真水とはそもそも、学術的な用語ではありません。そのため、人によって解釈している意味が少し異なる可能性があります。

塩分等をほとんど含まないお水という意味では、「真水」のほかに「淡水」という表現も用いられます。「淡水」とは川や湖のお水のことを指し、「海水」に対する言葉として使われるのが一般的です。

一方で、身近にある水道水や湧き水等の塩分が含まれていないお水は、「淡水」よりも「真水」という表現がよく使われます。真水とは、淡水と比べるとより日常生活に密着した表現ともいえるでしょう。

なお、一般的な辞書では、真水の反対語は塩水と定義されています。

真水と水道水の違い

「水道水」とは、浄水場から水道管を通して提供されるお水のことです。浄水場では川や湖、ため池等からお水を引き込み、不純物をとりのぞいて消毒したうえで家庭や施設に届けています。消毒に使われるのは塩素で、水道水は蛇口から出てくる時点で0.1mg/L以上の塩素濃度をキープすることが定められています。※1

水道水は、塩分をほとんど含まない真水です。 しかし、水道水はそのまま飲むことができる一方で、真水には川や湖等のそのままでは飲めないお水が含まれることがあります。

日常生活で「真水を用意してほしい」と言われた場合は、水道水を汲んでいけば問題ありません。

真水と淡水の違い

既に紹介した通り、塩分をほとんど含まないお水は「淡水」と呼ばれることもあります。淡水は一般的に川や湖のお水を指すことが多く、海水とは次のように区別されています。※2

  • 淡水:塩分が約0.05%以下のお水
  • 海水:塩分が約3.5%のお水

このことから、真水と淡水はほとんど同じ意味だといえるでしょう。

日常生活において、淡水魚と海水魚のように「海水」と対比になる場合は「淡水」という表現が使われます。その一方で、単に塩分が含まれていないお水という意味では、「真水」という表現を使うケースが少なくありません。

いずれにせよ、真水は学術的に定義されているものではないため、大まかにイメージするとよいでしょう。

ミネラルウォーターやRO水(純水)は真水に含まれるの?

私たちが日常生活で口にする飲用水には、水道水のほかにミネラルウォーターやRO水(純水)があります。ミネラルウォーターやRO水のことも知っておきましょう。

ミネラルウォーターとは

スーパーやコンビニ等で販売されているミネラルウォーターは、食品衛生法で「水のみを原料とする清涼飲料水」と定義されています。お水そのものだけでなく、二酸化炭素を注入した炭酸水や、カルシウム等を添加した製品もミネラルウォーターの一種です。※3

農林水産省による「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドラインガイドライン」では、ミネラルウォーターを4種類に分類しています。※4

                                               
品名処理法
ナチュラルウォーター特定の水源から採水された地下水で、沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の物理的・科学的処理を行わないもの
ナチュラルミネラルウォーターナチュラルウォーターのうち、地中でミネラル成分が溶解した地下水を原水とするもの
ミネラルウォーターナチュラルミネラルウォーターと同じ原水を使い、沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の処理が行われているもの
 
ボトルドウォーター上記3種類以外のお水

上記の品名のうち、「ナチュラルウォーター」は規定量まで含有されていないお水のことを指し、「ナチュラルミネラルウォーター」・「ミネラルウォーター」はミネラル成分を含んだお水のことを指します。「ボトルドウォーター」は、水道水等の飲めるお水すべてのことで、ミネラルの規定量が限定されていないお水を指します。

そのため、真水とは塩分をほとんど含まないお水であり、ミネラルウォーターも真水に含まれるといえるでしょう。
とはいえ、「真水といえば水道水や淡水のこと」というイメージを持つ人はそれなりに多く、日常会話でミネラルウォーターを真水と呼ぶケースは限定的です。

RO水(純水)とは

RO水とは、逆浸透膜(Reverse Osmosis membrane/RO膜)でろ過することで不純物を取り除いたお水のことです。逆浸透膜(RO膜)とは、ミネラルをほとんど含まない高純度のお水を作ることができます。

お水からミネラル成分を含む不純物を除去したRO水には、当然のことながら塩分も含まれていません。そういった意味では、RO水も真水の一種だといえるでしょう。

海水を真水にするには?

人間や陸上動物、植物が生きていくには、真水が欠かせません。しかし、地球上にあるお水の約97.5%は塩分を含んだ海水で、真水はほんのわずかです。※5

真水を手に入れるための方法のひとつとして、海水を真水にする技術の開発が進められています。ここでは、海水を水資源に変える取組みを紹介します。

海水の淡水化が期待されている

日本では「真水はすぐに手に入るもの」というイメージを持つ人が多いでしょう。しかし実際には、水不足が大きな問題になることも少なくありません。将来に向けた水資源開発の一環として期待されているのが、「海水の淡水化」です。

塩分が含まれている海水は、そのままでは飲んだり家事に使ったりすることができません。しかし塩分を取り除いて淡水にすることで、日常生活に活用できるようになります。

特に離島のようにダムを建設できない環境では、住民の生活用水を得るための重要な取組みだといえるでしょう。日本国内では、全国の約40か所に生活用水を確保するための海水淡水化施設があります。※6

逆浸透法で海水を淡水化する

RO水を作る際にも利用されている逆浸透法という方法で、海水を淡水化する海水淡水化施設で使われています。水分子を通して塩分を通さない膜で容器を仕切り、片方に淡水、もう片方に海水を入れると、濃度の違いで淡水から海水へと水分子が移動します。
しかしこのとき、海水側に圧力をかけると、海水から淡水へと水分水が移動する「逆浸透」が起こります。この逆浸透を利用するのが逆浸透法です。

海水から淡水を簡単に作れるようになれば、日本だけでなく世界中の人々の役に立つことはいうまでもありません。 ただ、新たな問題も起こっています。世界中で淡水化施設が建設されることで、塩分濃度が濃くなった排水が増え、そのお水はそのまま海に流されます。塩分濃度の高い排水は、海洋生態系に影響を与える要因になりえるので、今後の世界規模の課題となります。※7

塩分を含まないお水を真水と呼ぶ

真水は塩分をほとんど含まないお水のことですが、前述の通り、学術的な定義はありません。そのため「飲めるのかそうでないか」「塩分以外のものが入っているのか」等の細かな部分とらえ方は、人によって異なる可能性があります。

飲用水や生活水になる真水は、人間や動物が生きていくのに欠かせないものです。私たちの生活で手に入れやすい真水といえば、蛇口をひねると出てくる水道水ですが、残留塩素が気になることもあります。

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おいしいお水を手軽に用意したいときに、ぜひ検討してみてください。

参考文献

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