パーマをかけた後や空気が乾燥する冬は、髪の乾燥や傷みが気になる方も多いのではないでしょうか。髪が乾燥すると、パサついてまとまらなかったり、つやが失われてしまったりします。さらに切れ毛や枝毛の原因となることもあるので、ひどくなる前に対策しましょう。
この記事では、髪がどのような原因で乾燥するのかを解説しつつ、乾燥を防ぐために知っておきたいことを紹介します。髪の乾燥をケアしたいときに、ぜひ参考にしてください。
目次
髪の毛そのものはすでに死んだ細胞でできているため、一度傷めると元には戻りません。そのため、何よりも大切なのは乾燥させないことです。まずは、髪が乾燥してパサパサになる原因を解説します。
身近なもので乾燥の原因としてあげられるのが、ドライヤーの温風やヘアアイロンの熱です。濡れた髪を乾かすためにドライヤーの温風機能を使うことは問題ないものの、必要以上に長く使用したり、1か所に当て続けたりすると乾燥が進み、傷みの原因になります。毎日当たり前のように使うものだからこそ、使い方には注意しましょう。
髪を洗った後に自然乾燥させていると、それだけで髪が傷む原因となります。髪が濡れると、髪の表面にある組織「キューティクル」が開いて無防備な状態になり、内部の水分が蒸発してしまうためです。このほかにも、雑菌が繁殖してにおいが発生したり、寝ぐせが付きやすくなったりもします。「ドライヤーで乾かすのが面倒」等の理由で自然乾燥させている方は、乾かし方を見直しましょう。
おしゃれのためのカラーリングやパーマを繰り返すと髪が傷み、乾燥しやすくなります。これらの施術には、薬剤を浸透しやすくするために、髪表面のキューティクルをはがすアルカリ剤を使用するためです。 とはいえ、カラー剤やパーマ剤は髪が傷まないように改良が続けられていることから、1度、2度では大きなダメージを感じることはないでしょう。しかし、何度も繰り返すことでダメージが蓄積されると、乾燥の原因となります。
ダイエットによる無理な食事制限や食生活の乱れによって、栄養が足りていない状態になると、髪にも悪影響です。
髪は毛根部分にある毛母細胞が分裂することで生まれ、成長します。髪がすこやかに成長するには、良質なたんぱく質やアミノ酸が欠かせません。栄養不足から髪が乾燥している方は、食生活や栄養バランスを見直す必要があります。
髪は肌と同じように、太陽の光に含まれている紫外線でダメージを受けます。髪の毛自体は死んだ細胞のため、一度ダメージを受けてしまうと元には戻りませんが、ダメージを防ぐには普段から紫外線を予防し、こまめにケアすることが大切です。頭部に生える髪は、肌よりも紫外線を浴びやすいため注意しましょう。
頭皮が固かったり、紫外線ダメージやストレス等で血流が悪かったりすると、髪にも悪影響です。髪に必要な栄養は、血液によって毛根へと届けられます。頭皮の血行が悪くなると髪に栄養が行き渡らず、「細くて切れやすい」「パサパサでつやがない」等、傷みやすい髪になってしまいます。 頭皮は髪の土台となるものです。髪の乾燥ケアには、頭皮の状態をよくすることを心がけましょう。
健康な髪には、乾いた状態でも10~15%程度の水分が含まれています。乾燥で髪のパサつきを防ぐには、水分を保持することが大切です。※1
水分が失われる理由は、ドライヤーの使いすぎや空気の乾燥等、様々な要因があります。また、そもそも体内の水分が足りていない可能性も考えられるため、適切に水分を取ることも大切です。
家庭で使う水道水には、雑菌を消毒するための塩素が含まれています。塩素は髪や肌のたんぱく質を傷めてしまうため、水道水を使ってシャンプーすることで乾燥を引き起こすことがあります。※2
人体に影響を及ぼすようなことはありませんが、感じ方は人によって異なるため、特に敏感肌や乾燥肌の方は注意が必要です。※2
髪の乾燥を防ぐには、毎日のお手入れが大切です。髪の水分をキープし、つやつやの髪になるために知っておきたいことを紹介します。
お風呂あがりに髪を乾かす際、ドライヤーを正しく使えていないことで髪が傷んでしまっている方は少なくありません。髪を乾燥から守るためには、使い方を見直しましょう。ドライヤーの正しい使用方法を紹介します。
シャンプーをしたらまず、タオルで水分を拭き取りましょう。このとき、速く乾かしたいからといって力任せにこすってはいけません。濡れた髪はキューティクルが開いていて無防備な状態のため、こすると傷む原因となります。乾いたタオルで髪を挟み、軽く叩くようにしながら吸水させるのがおすすめです。また、髪だけでなく地肌の水分もしっかりと拭き取るようにします。
ドライヤーをかける前に、髪にヘアオイルや洗い流さないトリートメントをつけましょう。オイルやトリートメントの成分がドライヤーの温風から髪を守ってくれるため、乾かした後につやつやの髪になり、スタイリングもしやすくなります。
ただ、つけすぎるとベタついてしまうので注意が必要です。また、頭皮ではなく毛先になじませるのがポイントです。自分に合ったものを選び、適量をつけるようにしましょう。
ドライヤーを使う際は、温風を同じ部分に当てすぎないことと、吹き出し口を髪に近づけすぎないことが大切です。また、髪の表面だけでなく、根元部分に手を入れて髪の毛を立ち上げ、しっかりと乾かすようにします。
髪全体があらかた乾いたら、最後に冷風を当てて仕上げましょう。熱を取ることで髪のスタイルをある程度固定でき、寝ぐせ予防にもなります。
カラーリングやパーマを繰り返すと、どうしても髪への負担が増えます。乾燥が気になるときはヘアサロンで相談し、頻度を減らしたり、ケアしてもらったりするのがおすすめです。
髪の専門家である美容師さんに、ホームケア用のやり方やケア製品について聞いてみてもよいでしょう。自己流でケアをすると逆効果になってしまうこともあるので、プロの意見を取り入れることも大切です。
髪をすこやかに保つには、内側から栄養を与えることも忘れてはいけません。特に牛乳や肉類等に含まれているたんぱく質は、髪や爪等のもととなるため、積極的に取りましょう。※3 また、乾燥しにくい髪をつくるには、たんぱく質のほかに亜鉛やビタミン、カルシウム等も重要です。ひとつの栄養素だけを摂取するのではなく、バランスの取れた食生活を心がけましょう。
太陽光に含まれる紫外線は、髪にも地肌にも悪影響を与えます。特に日差しの強い季節に外出する際は、肌と同じように髪にも紫外線を当てないことが重要です。日傘や帽子を使い、できるだけ紫外線を防ぎましょう。 また、ドラッグストア等では髪に使えるスプレーやミストタイプの日焼け止めも市販されています。帽子や日傘が使えないときは、日焼け止めで紫外線を防ぐことを検討してもよいでしょう。
頭皮がこわばっているときは、地肌をマッサージして血行を良くしましょう。土台となる頭皮に問題があると、すこやかな髪は育ちません。 地肌マッサージは、シャンプーのついでに毎日続けるのがよいでしょう。シャンプーを洗い流す前に、こすらないように気をつけながら指先で頭皮全体を揉みほぐすだけでも、効果が期待できます。シャンプーブラシで地肌を優しく刺激するのもおすすめです。
睡眠中に髪が絡まったりこすれたりするのを防ぐには、シルク製のナイトキャップがおすすめです。枕との摩擦を防ぎ、髪から水分が失われるのを防ぐことができます。
ナイトキャップが苦手な方や、寝ている間に脱げてしまう方は、枕カバーをつやつやした手触りのシルク製のタイプに変えてもよいでしょう。
敏感肌や乾燥肌という自覚がある方は、水道水の塩素が原因で髪が傷んでいる可能性があります。対策として、自宅のシャワーに浄水タイプのシャワーヘッドを装着し、塩素を取り除いたお水を使うのもひとつの方法です。
シャワー向けの浄水器には、シャワーヘッドそのものを取り替えるタイプや、シャワーヘッドとホースの間に設置するタイプ等があります。
髪の乾燥を防ぐにはまず、健康な髪が育つようにきちんと栄養と水分を取り、地肌をすこやかに保つことが大切です。そのうえで、髪が傷む原因をできるだけ取り除き、日常生活の中で髪と地肌をケアすることを心がけましょう。
シャンプー後はタオルとドライヤーでしっかりと乾かし、外出する際は帽子や日傘等で紫外線を防ぐようにします。カラーリングやパーマのしすぎで髪が傷んでいる方は、ヘアサロンで相談することをおすすめします。
湿度が低い冬は、髪の乾燥も気になる季節です。「ドライヤーを正しく使う」「紫外線を浴びない」といった毎日の工夫で、髪のパサつきを防ぎましょう。