忙しい毎日のなか、「ほっ」と一息つけるティータイムは、心と身体を癒す大切な時間ですよね。そんなときに人気を集めているのが「はちみつ紅茶」です。
ビタミンやミネラルが含まれているはちみつは、健康効果や美容効果を期待できるメリットがある食材です。上品な紅茶の香りとはちみつの優しい甘さが溶け合い、飲むたびに心も身体もぽかぽかと温まります。
その名のとおり、紅茶にはちみつで風味と甘みを加えた飲み物です。紅茶を入れて、お砂糖の代わりにはちみつをプラスするだけで作れます。最近では、紅茶の茶葉にはちみつパウダーをブレンドしたティーバッグも登場し、手軽に楽しめます。
レモンや牛乳、ブランデーを加えるドリンクアレンジはもちろん、りんご煮やクラッシュゼリー等、多様な楽しみ方が可能です。今回は癒しのホットドリンク『はちみつ紅茶』の魅力と、さらに楽しむためのアレンジレシピをくわしく紹介します。
目次
はちみつ紅茶の作り方はとてもシンプル!
まず好みの紅茶を入れ、熱々のうちにティーカップに注ぎます。そこへティースプーン1~2杯程度のはちみつを加え、よくかき混ぜれば完成です。
はちみつの風味を活かすためにも、紅茶が熱いうちに入れるようにしましょう。使用する茶葉の種類やはちみつの種類によって風味や香りが大きく変わるので、色々な組合せを試してみてください。
紅茶にはちみつを入れると、時々黒っぽくにごることがあります。この現象の原因は、はちみつ中に含まれる鉄分と、紅茶の渋み成分であるタンニンが結びつき、タンニン鉄という物質ができるためです。
もともと、はちみつは糖分約80%、水分約20%で構成されており、ここに鉄分をはじめとしたミネラルやビタミンが含まれています。日本食品標準成分表によれば、はちみつ100g中には約0.2mgの鉄分が含まれており、特にソバの花等から採れた色の濃いはちみつは鉄分が多めです。逆に色の薄いはちみつ(アカシア等)は鉄分が少ないようです。紅茶が変色しにくいはちみつを探す際は、色が薄いはちみつを選びましょう。※1
気温が低い冬場には、はちみつが白く結晶化して固まってしまうことがあります。はちみつが固まるかどうかは種類によって異なりますが、一般的に甘みが強いはちみつは固まりやすい傾向にあります。
ブドウ糖が多いはちみつ(ナタネ蜜やレンゲ蜜等)は固まりやすく、果糖の割合が高いはちみつ(アカシア蜜等)は固まりにくいため、参考にしてください。※1
もしも固まってしまった場合には、50℃程度の湯煎でゆっくりと容器ごと温めて溶かしましょう。電子レンジ等で急激に加熱すると、はちみつに含まれる酵素等の有効成分が壊れてしまうため避けてください。酵素を壊してしまう温度の目安は60℃以上です。
溶かすときに細かい結晶が残ってしまうと、再度固まりやすくなってしまう点にも注意が必要です。はちみつを変質させないように溶かすには、50℃以上60℃未満の温度でじっくり温めてください。※1
はちみつ紅茶は、身体の内側から元気をサポートしてくれるドリンクです。はちみつにはカリウム・カルシウム・ナイアシン・葉酸等多彩な栄養素が含まれており、手軽に栄養を摂取できます。※2
ここでは、はちみつに期待できる健康効果を見ていきましょう。
はちみつが抗菌作用を発揮する理由は、「グルコースオキシダーゼ」という酵素が含まれているためです。グルコースオキシダーゼが働くと過酸化水素が生成され、これが細菌の繁殖を防いでくれます。
pH値が低いのも抗菌作用のポイントです。酸性が強いため、感染症の原因となる菌を弱めてくれます。
さらに、はちみつが持つ吸湿性も菌に対して、とても効果的です。菌は水分を奪われることで脱水状態になり、生存が難しくなります。※3
はちみつには炎症を鎮める働きもあります。大学の研究では、はちみつには肺の炎症を引き起こす物質の働きを抑える効果があることがわかっています。
具体的には、肺の免疫細胞である「肺胞マクロファージ」に炎症を誘発する物質を加えると、通常は炎症に関与する物質が増えます。しかし、これらの細胞にはちみつを加えると、炎症性物質の量が減少することが確認できました。※4
はちみつには抗菌・抗炎症作用があり、これらが身体の免疫力をサポートします。
大学の研究チームは、はちみつを特定の温度と時間で加熱することで、免疫力を高める物質が生まれることを発見しました。この研究では、加熱したはちみつをマウスに与えると、細菌感染による死亡を防ぐ効果を確認しています。この研究により加熱処理したはちみつには、免疫細胞を活性化する作用があることが確認できました。※5
はちみつは古くから傷の治療にも用いられてきました。最近の研究では、はちみつが皮膚の新しい細胞を形成するプロセスを助ける可能性があることが示されています。
この研究では、アカシアやソバ、マヌカハニーといった異なる種類のはちみつが使われました。その結果、それぞれが少しずつ異なるメカニズムで傷の治癒を促すことがわかりました。※6
同じはちみつ紅茶でも、組み合わせる材料やレシピを変えるだけで様々なアレンジが楽しめます。気分や体調に合わせて、自分好みのはちみつ紅茶に挑戦してみましょう。
【材料(1人分)】
● 紅茶のティーバッグ 1個
● 熱湯 200ml
● レモンの輪切り 1枚(またはレモン果汁 小さじ2)
● はちみつ 大さじ1(お好みで調整)
【つくり方】
【ポイント】
・ レモンに含まれるビタミンCも摂れるので、喉が少しイガイガするときや風邪気味のときにもぴったりです。
・ レモンを柚子や生姜、シナモンに変えても、味の変化を楽しめます。
【材料(1人分)】
● 紅茶のティーバッグ 1個
● 熱湯 150ml
● 牛乳 50ml
● はちみつ 大さじ1(お好みで調整)
【つくり方】
【ポイント】
・ ミルクのコクとはちみつの優しい甘さが調和した、まろやかな味わいのティーです。
・ 牛乳に紅茶の風味が負けないよう、濃いめに紅茶を入れておくのがコツです。
【材料(1人分)】
● 紅茶のティーバッグ 1個
● 熱湯 150ml
● はちみつ 大さじ1(お好みで調整)
● ブランデー 30ml
【つくり方】
【ポイント】
・ ブランデーの代わりにラムやウイスキーを使用しても、異なる風味が楽しめます。
・ お好みでレモンスライスやシナモンスティックを添えてもおいしくいただけます。
・ アルコールを含むため、20歳未満の方やアルコールに敏感な方は控えてください。
【材料(1人分)】
● りんご 1個
● 紅茶 ティーバッグ2袋分
● 熱湯 200ml
● はちみつ 大さじ1(お好みで調整)
● レモン果汁 小さじ1
【つくり方】
【ポイント】
・ 冷やして食べたり、ヨーグルトと合わせたりしてもおいしくいただけます。
・ シナモンやラム酒を加えると、風味が豊かになります。
【材料(1人分)】
● 紅茶ティーバッグ 2個
● 熱湯 250ml
● 粉ゼラチン 5g
● はちみつ 大さじ1(お好みで調整)
● レモン果汁(お好みで) 少々
【つくり方】
【ポイント】
・ クラッシュしたゼリーは、ヨーグルトやアイスクリームのトッピングとしても楽しめます。
香り豊かで身体に優しいはちみつ紅茶は、日々の暮らしに彩りを添えてくれます。紅茶とはちみつが織りなす奥深い味わいに癒されるだけでなく、抗菌・抗炎症作用や免疫力アップ等の健康効果も期待でき、一石二鳥です。
1日の始まりに。
ほっとひと息つきたいときに。
疲れてリラックスしたいときに。
はちみつ紅茶を入れて、毎日に優しい癒しを加えてみてはいかがでしょうか。