浄水器にカビが生える理由は?原因や対策を解説

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浄水器を使っていると、カビ等の汚れが気になることがあるのではないでしょうか。浄水器を通した水道水は塩素が含まれていないため、カビが生えやすく、汚れも増えやすいといえます。

しっかりお手入れをしないと、目に見えないところにカビや汚れがどんどん増殖することに……。健康被害が懸念されるカビや細菌もあるため、早めの対策が重要です。そこで、この記事では、浄水器の汚れの原因や対策について解説します。

浄水器の汚れの原因

黒ずんだ汚れはカビ

浄水器の汚れの中でも、特に目立つのが黒ずんだ汚れではないでしょうか。黒ずんだ汚れは、カビの可能性が高いです。

水道水には、雑菌の繁殖を抑える塩素が添加されています。水道水を浄水器に通すと、塩素は除去されるため、雑菌の繁殖を抑えられません。その結果、浄水器の内部は、菌だけでなくカビも繁殖しやすい状態となっているのです。カビの中には、感染症を引き起こしたり、アレルギーを招いたりするものもあります。※1

白い汚れは水垢

浄水器に付着している白い汚れは水垢と呼ばれるものです。白い汚れを塩素由来と誤解している方もいますが、実は塩素ではありません。お水にもともと含まれるカルシウムやマグネシウム、鉄等のミネラル成分が固まったものです。

水垢をそのままにしておくと浄水器の性能が低下したり、飲料としての口当たりが悪くなったりする可能性があるため、適切にお手入れをしましょう。※2

赤色や茶色、ピンクの汚れは細菌や酵母

浄水器に赤色や茶色、ピンクの汚れが見られる場合は、細菌や酵母が原因と考えられます。
原因は、浄水器を通したお水には塩素が無くなり、カビだけでなく細菌も繁殖しやすくなってしまうためです。また台所には、食べ残し等の汚れがたくさんあり、細菌の栄養源となって浄水器の中で菌が増え続けるという側面もあります。※1

ピンクの汚れが付着すると驚くかもしれませんが、赤色の酵母や細菌に病原性はないといわれています。※3

カビ臭の原因

浄水器を使っていると、黒ずみもないのにカビ臭いことがありませんか。カビ臭の原因は、2-メチルイソボルネオール(2-MIB)という物質です。これはカビや藻類が作り出す物質で、毒性はありませんが、水の味や香りを悪くします。カビ臭を防ぐには、浄水器のカートリッジを定期的に交換したり、水をこまめに使い切ったりすることが大切です。※4

そもそもカビってなに?

カビは、私たちの身の回りでよく見られますが「触れたくない」「臭い」「汚い」等、あまり好ましいイメージはありません。そもそも、カビとはどのような生き物なのでしょうか。ここではカビの発生源や特徴について詳しく解説します。

カビの発生源

カビの発生源は主に土壌です。土壌には様々な種類のカビが生息しており、風に乗って空中に飛ぶことも。空中に飛んだカビは、植物や衣服等に付着して、家の中に持ち込まれることもあります。※5

カビの形

カビは種の役割をする胞子と、枝のように伸びる菌糸でできています。胞子のかたちは丸や細長いもの等様々です。大きさは約1,000分の3mmから約1,000分の10mmで、非常に小さいという特徴があります。カビの胞子から発生する菌糸は糸状です。※5

カビの生育条件

カビが生育しやすい条件とは、どのようなものなのでしょうか。

湿度

カビが生きるには一定の湿度が必要です。カビは湿度70%以上で生え始め、湿度90%以上になると生育スピードがアップします。※5

温度

カビがよく生育する気温は20℃台です。約10℃の低温でも生えますが、生育スピードは遅くなります。0℃以下だと生えることはありません。ただし死滅することもなく、生き続けます。※5

養分

カビが好む養分は糖質です。カビによる食中毒等が起こるのは、糖質が多い食品にカビが生えやすいためです。ただしカビは糖分がなくても生育でき、木材や紙、皮革等にも生えます。※5

寿命

カビの寿命は数か月から数年です。カビ以外の細菌やウイルスの寿命は数日から数週間のものが多いため、カビはとても長生きといえます。※5

生えやすい季節

カビが生えやすい季節は、湿度と温度がどちらも高くなる梅雨時や夏です。ただし、秋雨や冬場の結露等によって湿度が高くなるタイミングでも、カビが生えることがあります。加えて、エアコンや暖房器具を使い、室内の温度や湿度が高くなると、季節を問わずカビは生えやすくなると覚えておきましょう。※5

身近なカビの種類

どんな食品にもカビは発生しますが、特に被害事例が多いのは和洋菓子やパン類、飲料です。冷蔵庫に食品を入れすぎ長期間放置したこと等によって、カビが生える事例が増えています。

                                                                                              
種類好きな場所カビを防ぐには特徴有害性
クロカビ湿った場所や物を好む
例:浴室、台所、結露、洗濯槽、食品各種、室内 室外空中
60℃以上の温湯、エタノールや塩素剤による消毒、市販防カビ剤、乾燥胞子の産生が多い、湿度90%以上で発生しやすい、湿性・水系環境を好む二次被害を起こすことが多い、変色する
アオカビ乾湿を繰り返す場所や物を好む
例:押し入れ、床下収納、室内空中、空調機フィルター、ほこり、皮革製品、食品各種
60℃以上の温湯、エタノールや塩素剤による消毒、紫外線、市販防カビ剤、乾燥、空調機フィルターの除カビ胞子の産生が著しく多い、湿度80~95%、20℃台で発生しやすい、多少湿気の強い環境を好む二次被害を起こすことが多い、臭気が強い場合がある、多量の胞子吸引によるアレルギー
コウジカビやや乾いた場所や物を好む
例:押し入れ、ほこり、穀類系食品、輸入食品、繊維製品、電気製品、樹脂
熱湯、エタノールや塩素剤による消毒、市販防カビ剤、乾燥、空調機フィルターの除カビ胞子の産生が著しく多い、湿度80~95%、30℃以上で発生しやすい、多少湿気や乾き気味の環境を好む二次被害を起こすことがある、多量の胞子吸引によるアレルギー
好乾性カビ
(例:カワキコウジカビ、アズキイロカビなど)
やや乾燥した場所や甘い物を好む
例:皮革製品、衣類、ほこり、穀類系食品、甘味食品
熱湯、塩素剤による消毒、市販防カビ剤、乾燥、空調機フィルターの除カビ胞子の抵抗性が強い、長期生残性あり、湿度70~90%、20℃台で発生しやすい、やや乾燥気味の環境や甘いものを好むやや湿気のある物に二次被害を起こすことが多い、エタノールの効果が弱い、紫外線に抵抗する

「カビ対策は正しく知って、上手に予防することから」(国民生活センター)より引用

保健所の調査によると、実際にカビの生えた食品を食べてしまい、健康被害が出てから発覚するケースが多いようです。食品に臭いや変色がある場合は食べずに廃棄しましょう。

また、カビの胞子が空気中に飛んで、呼吸器や皮膚に付着すると、アレルギー症状や感染症を引き起こす可能性もあります。代表的なアレルギー症状は、くしゃみ、鼻水、咳、喘息、皮膚炎等です。肺や副鼻腔等に入り込んで炎症を起こすこともあります。免疫力が低下している方や高齢者、小児等は特に注意が必要です。※5

浄水器のカビ対策

浄水器は水道水から塩素を除去してしまうため、本体にカビが生えやすくなります。どのようにすれば、カビを除去できるのでしょうか。ここからは、浄水器のカビ対策について解説します。

蛇口の水気を拭き取る

蛇口に水気が残っていると、カビの発生源となります。使用後は蛇口の水気をタオル等で拭き取れば、カビの発生を防げます。忙しい方も1日1回は拭くように心がけましょう。

カートリッジ交換の時期を守る

浄水器のカートリッジが、カビの発生源になってしまうこともあります。カートリッジは、ろ過水量が決まっているので、適切な時期に交換しましょう。ろ過水量を超えると浄水能力が低下し、カートリッジや浄水器本体が壊れてしまうこともあります。

こまめにお手入れする

浄水器を清潔に保つには、こまめなお手入れが欠かせません。お手入れの方法や頻度は、機種や使用状況によって異なります。注意事項も多いため、取扱説明書に沿ってお手入れしましょう。お手入れを怠ると、カビだけでなく、水垢等の汚れや細菌が発生する可能性もあります。

浄水器のお手入れ方法

清潔に浄水器を使うには、日頃の洗浄が大切です。ここからは、蛇口一体型を前提として浄水器のお手入れ方法を紹介します。ただし、浄水器によって適切な洗浄方法は異なるため、お手入れの際は必ず説明書の内容に従いましょう。誤ったお手入れは、カートリッジや本体の故障を招くことがあります。

本体

本体の外側は濡らした布で拭いた後、やわらかい布で磨きましょう。パーツのつなぎ目の汚れは、歯ブラシ等を使えば取り除けます。本体に直接水をかけると、汚れの原因となったり、故障したりするため避けましょう。

浄水器の内側のお手入れをする際は、蛇口から浄水器を取り外して各パーツを分解します。歯ブラシ等で内部の汚れを落として、お水でよくすすぎましょう。

原水口

原水口の汚れは、プラスチック製のブラシ等でこすって取りましょう。原水口やシャワースクリーンは、水垢が溜まりやすい部品です。水垢をそのままにしておくと、目詰まりし、故障する可能性があります。水垢等の汚れに気づいたら、こまめに取り除くようにしましょう。

接続部や表示窓

浄水器の接続部や表示窓にも水垢やカビ等の汚れが付着します。特に接続部は汚れが溜まりやすく、布で拭いても落ちない汚れは、綿棒等を使うと楽に落とせます。 必ず取扱説明書を確認したうえで、お手入れしましょう。

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参考文献

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