日本の水道水は危険なの?設備の問題や有害物質等のリスクは?

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日本の水道水は、国土交通省や厚生労働省、環境省等が定める厳しい水質基準をクリアしており、世界的にも高い評価を受けている安全性の高いお水です。しかし近年、有機フッ素化合物であるPFASの検出が報じられたこともあり、不安の声が広がっています。

ニュースを目にして、水道水は本当に安全なのだろうかと感じている方も多いのではないでしょうか。本記事では、日本の水道水の安全性や考えられるリスクについて解説します。

日本の水道水にリスクはあるの?

世界的に見ても安全性の高い日本の水道水ですが、どのようなリスクがあるのでしょうか。ここで詳しく解説します。

鉛製給水管の経年劣化

日本の水道水に潜むリスクのひとつが、鉛製給水管の経年劣化です。古い建物では給水管に鉛が使われていることがあり、配水管の経年劣化で鉛の成分が溶け出すおそれがあります。ただし、鉛製給水管は1980年代後半まで使用されていたものの、現在は使われていませんし、ほとんどは交換済みです。

しかし、一部の地域にはまだ残っており、特に家庭内の配管の交換には自治体が関与できないため、古い家の配管が鉛製である可能性は否定できません。また、古い建物では給水管の法定耐用年数である約40年を超えて使い続けている懸念もあります。

鉛が体内に入ると、慢性的な健康被害を引き起こすことがわかっているため、鉛製給水管への対処は必要不可欠です。※1

水道管のトラブル

老朽化した水道管は漏水やカルキ臭等、様々なトラブルを招き、料理や洗濯、入浴等の日常生活に悪影響を及ぼします。※2

水道メーターから家庭内の蛇口までの配管は自治体の管理外のため、利用者が点検や交換をしなければなりません。※3

水道管のトラブルを放置すると漏水がひどくなったり、敷地内が陥没したりする恐れがあるため、適切な対処が必要です。※4

一方で、ここに付け込む悪質な修繕業者にも注意しましょう。突然訪問して、水道管の無料点検を装い不安をあおり、高額な工事を迫ったり、「今すぐ直さないと危険」と脅して不要な部品交換で請求額をつり上げたりするケースがあります。

蛇口からお水が止まらない時は、まずは慌てずに水道メーター横の元バルブを閉めて被害拡大を防ぎましょう。業者に修理を依頼する場合は、必ず複数社の見積もりを比較し、自治体の指定工事店かを確認することも大切です。※5

貯水タンクの状態

貯水タンクが不衛生だと、蛇口から出るお水まで汚れるリスクがあります。特に中高層マンションでは、一度タンクに貯めてから各戸へ送水するため、管理の良し悪しが品質を左右する点に注意が必要です。※6

受水槽の容量が10㎥を超える場合は、年1回以上の清掃と定期検査が法律で義務付けられていますが、規模に関わらずサビや雑菌対策は不可欠です。設備は所有者の財産であり、点検・清掃の責任も所有者にあります。※6

掲示板や通知で実施状況を確認し、濁りやにおい等異変に気付いたらすぐ管理者に連絡しましょう。

有害物質

お水に混入する恐れがある有害物質にも注意が必要です。

有機フッ素化合物

近年、東京都多摩地域や沖縄県等で、血中濃度の高さが報じられた有機フッ素化合物(PFAS)は、フライパンのコーティングや防水加工に利用される人工化学物質の総称です。

PFASの血中濃度上昇の原因が水道水なのかどうか、健康への影響がどの程度なのかは、まだ確定しておらず、国も「現時点で明確な知見なし」という見解を示しています。しかし、不安の声が上がっているのも事実です。現在は専門家会議が最新データを収集し、継続的に評価しています。※7

トリハロメタン

水道水の消毒過程で生じる物質「トリハロメタン」にも、発がん性が指摘されています。しかし、水道水に含まれる量は水質基準値以下に抑えられており、通常の飲用でのリスクは極めて低いとされています。5分以上煮沸すれば揮発して減るため、より安心して飲用できます。※7

基本的に日本の水道水は安全

日本の水道水は、世界でも11か国しかない、そのまま飲めるお水です。もともと伝染病防止を目的に始まった水質管理は、環境の変化に応じて何度も見直されてきました。においや味を改善する取り組みも続けられており、海外からも高く評価されています。

高度経済成長期から現在まで整備が進んだ結果、全国のほぼ全世帯が水道水を利用できる状況になりました。このような努力が、日本の水道水の安全とおいしさを支えています。※8

各地域の水道水の危険性は?

全国的に安全とされる日本の水道水ですが、地域によって味やにおいの評価は分かれています。ここでは東京・大阪・沖縄のお水を例に挙げて、それぞれの特徴や現状を解説します。

東京の水道水

東京都では、家庭においしいお水を届けるため、2004年から独自の「おいしさに関する水質目標」を掲げ、国の基準より厳しい数値でにおいや味を管理してきました。カルキ臭やかび臭の原因物質も監視項目に加え、都民の不満を先取りして改善を推進しています。※9

さらにオゾンと生物活性炭を組み合わせた高度浄水処理を導入し、微量のトリハロメタンや不快なにおい、有機物をほぼ除去できるようになりました。2024年には利根川水系の全浄水場で高度浄水処理100%を達成しています。※10

大阪の水道水

大阪市はおいしいお水づくりに注力しており、2023年に実施したアンケートでは98%が「おいしい」と回答しました。「昔よりおいしくなった」「煮沸しなくても飲めると知らなかった」との声もあがっています。

お水の管理では、厚労省の基準に独自項目を加えた「大阪市おいしい水指標」を設け、10項目中8項目が達成。オゾン酸化と生物活性炭吸着を組み合わせた高度浄水処理により、かび臭はゼロ、トリハロメタンは約80%削減され、水質が大幅に向上しています。※11

沖縄の水道水

沖縄の水道水は、石灰岩層の影響を受けており、硬度が高いのが特徴です。そのため、日本に多い軟水に慣れた人は「飲みにくい」と感じることもあります。※12

石灰分が多いため、やかんや浴槽に白い水垢が付きやすいこともあり、沖縄のお水はあまり良くないというイメージを持つ方がいるかもしれません。※13

このような状況を踏まえ、那覇市上下水道局は2025年に水安全計画を策定しました。リスクの抽出や監視体制の強化により、硬度を含めて水質を継続的に管理し、安心して利用できるお水の供給を目指しています。※14

水道水をおいしく安全に飲むには?

マンションの水道水が気になるときや自宅の水道水に不安を感じるとき、少しの工夫でおいしく安全にお水が飲めます。

沸騰させる

とても手軽な方法が沸騰です。残留塩素は沸騰すると気体となり抜けていきます。お水を火にかけたら吹きこぼれない程度に火を調節し、沸騰後、3〜5分ほど加熱を続けましょう。5分以上沸騰させるとトリハロメタンもほぼ除去できます。※15

やかんのふたを外しておくと揮発が進むので、より効果的です。冷ました後は冷蔵庫で保存し、24時間以内に飲み切るようにしましょう。

浄水器や浄水型ウォーターサーバーを使用する

より手軽ににおいや不純物を抑えたいなら、浄水器や浄水型ウォーターサーバーが便利です。浄水型ウォーターサーバーは水道水を注ぐだけでお水から残留塩素やトリハロメタンを除去できます。※16

さらに、冷水も温水もボタンを押すだけで抽出可能。ボトル交換が不要で、お水の使用量を気にせず安心して使えます。

浄水型ウォーターサーバーなら安心してお水が飲める

日本の水道水は世界トップクラスの品質です。しかし、老朽化した配管や貯水タンクの汚れ、健康への影響が不明確なPFAS等、家庭に届くまでのリスクを完全に排除できるわけではありません。

そこで手間なく不安を解消できるのが浄水型ウォーターサーバーです。Loccaの浄水型ウォーターサーバー「litta(リッタ)」、「Slim-RⅡ(スリムアールツー)」、「Locca Smart(ロッカスマート)」は、お水のミネラルを残しながら、残留塩素やPFAS※を含む29種類の不純物を除去できます。

水道水を注ぐだけで冷水も温水もすぐに使え、重いボトル交換や工事も必要ありません。エコモードで電気代を節約できますし、チャイルドロック付きなので小さなお子さまがいる家庭でも安心して利用できます。

水道水のリスクが気になっている方は、この機会に利用を検討してみてはいかがでしょうか。

参考文献

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