水道水を沸騰させると安全?煮沸の方法と注意点

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「水道水は味や臭いが気になる」や「不純物が含まれているのではないか」等、このような不安から、水道水をそのまま飲んでも良いかと疑問を持つ方もいます。 そのようなときに、昔から使われてきた手法が煮沸です。

ただし、間違った方法でお水を沸騰させると、有害物質が増えてしまうという説もあります。おいしく安全に水道水を飲むには、どのようにしたらいいのでしょうか。
今回は、水道水の安全性や煮沸方法、沸騰させたお水の注意点について詳しく解説します。

水道水をそのまま飲むのは危険?

そもそも日本の水道水は、そのまま飲めるほど安全なのでしょうか。まず初めに水道水の安全性について解説します。

日本の水道水は世界的にみても安全!

日本の水道水は、外国人が驚くほどきれいで安全です。日本には世界各国とは異なる独自の水道法という法律が定められており、これに基づいて厳格な基準で水質が管理されています。

水道法第4条の規定による「51項目の水質基準」は必ず守らなければなりませんし、病原菌等の汚染から水道水を守るため、塩素による消毒もされています。※1※2

さらに、安全性を維持するための目標「27項目の水質管理目標設定項目」も定められています。※1
このように、日本の水道水は数多くの基準により守られています。

トリハロメタンに注意

塩素には消毒効果以外に酸化作用があり、お水の中の有機物と反応すると、トリハロメタンが生成されてしまいます。※2

水質基準に定められているのは
クロロホルム
ブロモジクロロメタン
ジブロモクロロメタン
ブロモホルム

の4種です。

上記に加えて、令和4年には水質管理目標設定項目のひとつである農薬類について、対象農薬リストとして58の項目が設定されました。※5

この4種の濃度を合計したものは「総トリハロメタン」と呼びます。※4

水道水に残留している塩素や総トリハロメタン、及び4種のトリハロメタンも、51項目の水質基準によって基準値が決められています。残留塩素は1mg/ℓ以下、総トリハロメタンは0.1mg/ℓ以下でなければいけません。※1

お水をきれいにする浄水場では、活性炭やオゾンを使った処理で、トリハロメタンを低減させています。※2
このような取り組みがあって、安全な水道水がみなさんのご家庭へ供給されています。

水道水を沸騰させて飲むのは危険?

日本の水道水は厳格な基準下で管理されており、そのまま飲んでも健康上は全く問題ありません。ただ、塩素の臭いが気になる、なるべく不純物を減らしたいといった理由から、水道水を煮沸して飲んでいる方もいます。

その一方で、水道水は沸騰させると危険性が高まるのではないかという疑問もありますが、本当はどちらが正しいのでしょうか。この段落では、その疑問について解説します。

沸騰させると塩素やトリハロメタンを除去できるけれど…

水道水を沸騰させると、残留塩素やトリハロメタンが蒸発するので除去できます。これらの成分は熱によって気化しやすい性質があるためです。
ただし、沸騰の時間を誤ると、かえってトリハロメタンが増えてしまうという現象が起こるため、注意しましょう。「水道水を沸騰させると危険」といわれる理由は、このようにトリハロメタンが増える可能性があるためです。

水道水を沸騰させる際は、適切な時間が重要です。そこで次は、正しい煮沸時間について解説します。

トリハロメタンの短時間の煮沸は厳禁!

残留塩素は約5分の沸騰で除去できますが、沸騰後5分ぴったりで火を止めるのは避けましょう。なぜならお水の中でトリハロメタンが増加している可能性があるためです。

トリハロメタンは、水温が上昇するにつれて増加するという性質があります。沸騰直前には加熱前の約1.0~3.6倍に増えるという研究もあるため、沸騰してから、最低でも10分以上は加熱するようにしましょう。
間違っても沸騰後5分ぴったりで火を消さないようにしてください。十分にトリハロメタンを除去するためには10分以上加熱すると安心です。※6

水道水を沸騰させるメリット

水道水を沸騰させると、お水の中の塩素やトリハロメタンを除去できます。10分を目安にしっかり沸騰させれば、飲み水はもちろん、赤ちゃんのミルク作り等にも安心して使用可能です。ここで、水道水を沸騰させるメリットをあらためて確認しましょう。

お茶やコーヒーがおいしく飲める

かつては「都会のお水は臭くて飲めない」という声をよく聞きました。その原因は、水道水の元となるお水、原水に含まれる不純物が多かったことです。不純物の量に応じて、消毒に使う塩素の量も多かったため、強いカルキ臭が生じていました。
現在は浄水処理技術の進歩により、塩素濃度が大幅に抑えられています。しかしそれでも、塩素の臭いは気になるものです。

この臭いの問題を解決するのが沸騰です。お水を沸騰させてカルキ臭を軽減すれば、お茶やコーヒー等の飲み物の風味がより一層引き立ち、料理の味や香りにも影響しません。また、発がん性物質とされるトリハロメタンも減少するので、健康面にもメリット大です。

赤ちゃんにも安心

日本の水道水は安全性が高いため、赤ちゃんへ水道水をそのまま与えても問題ありません。しかし、赤ちゃんは大人よりも抵抗力が弱く、身体の器官も未発達なので、飲み物や食べ物には慎重になってしまうのも当然です。「水道水をそのまま与えるのは抵抗がある」「確実に安全なお水を飲ませたい」と感じる方は、しっかり沸騰させたお水を使いましょう。

沸騰させれば塩素やトリハロメタンを除去できるだけでなく、殺菌することにもなります。※7
そもそも世界保健機関(WHO)が推奨するミルクの作り方は、完全に沸騰させたお水を適温にしてから使うという方法です。※8
安全性が気になる方は、赤ちゃんに飲ませる湯冷ましや離乳食にも沸騰させたお水を使いましょう。

煮沸する際の注意点

水道水を沸騰させると、成分はもちろん、味や安全性の面でのメリットもあります。ただし、煮沸した水道水には、注意しなければならない特徴もあります。間違った扱い方をすると、健康へ悪影響を及ぼす可能性もあるため、しっかり確認しておきましょう。

10分以上沸騰させる

前述の通り、残留塩素とトリハロメタンは、短時間の煮沸では除去できません。残留塩素は5分以上の煮沸で除去できます。トリハロメタンは増加の可能性があるため、10分以上沸騰させると安心です。これら両方を考慮し、最低でも10分以上はお水を沸騰させるようにしましょう。

保存せずに早めに飲みきる

煮沸させたお水は、すぐに使い切るのが理想です。その理由は、塩素が除去されたことで殺菌効果がなくなり、雑菌が繁殖しやすくなるからです。またお水の味や質も、時間とともに低下してしまいます。できるだけ早めに消費しましょう。

また、常温でも菌が増殖する恐れがあります。飲みきれないときは、清潔な容器に入れ、冷蔵庫で保管します。菌の増殖を防ぐには、沸騰後、急速に冷やした上で冷蔵保管しましょう。冷蔵庫で保存した場合も、安全のため、その日のうちに使い切りましょう。

すべての不純物を除去できるわけではない

煮沸すれば、すべての不純物を除去できるというわけではありません。例えば、金属類では、鉛やアルミニウム等、煮沸での除去が難しいものがあります。他の不純物が混じっている可能性もあり「煮沸=100%安全」とは言い切れません。

煮沸以上に安全でおいしいお水を求めている方には、浄水器の使用がおすすめです。浄水器には専用のフィルターが備わっており、煮沸では除去できない不純物も取り除くことができます。

浄水器は導入費用が高額だというイメージがあるかもしれませんが、最近は月額料金制で手頃に利用できる浄水型ウォーターサーバーが人気を集めています。

浄水型ウォーターサーバーなら安心してお水が飲める

水道水をしっかり沸騰させれば、お水に含まれる塩素やトリハロメタンを除去できます。安全に利用する場合は10分以上を目安に加熱しましょう。一方で、煮沸すれば、すべての不純物を取り除けるというわけではない点にも注意が必要です。

沸騰よりも安全なお水にこだわりたいというご家庭には、浄水型ウォーターサーバーLocca「Slim-R」をおすすめします。
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設置工事が不要で、水道水を注ぐだけできれいなお水が飲めるうえ、いつでも冷水や温水が使えます。安全性の高いお水を生活に取り入れたいという方は、Locca「Slim-R」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

参考文献

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