一人暮らしを始めて、水道代や光熱費にかかる金額が想像より高く感じている方も多いのではないでしょうか。
水道代や光熱費は、家賃のように毎月決まった金額ではないため、使いすぎるとすぐに高額になります。充実した一人暮らしのためには、料金の目安を知り、定期的に生活スタイルを見直すことが大切です。
この記事では、一人暮らしにおける水道代・光熱費の目安や、料金を節約する方法について解説します。
目次
一人暮らしにかかるお金が気になるときは、まず「固定費」を把握しましょう。固定費とは、家賃や電気代等、生活のために毎月必ずかかる金額です。固定費を節約すると、収入の中から自由に使える金額が増えます。
そこで、一般的な固定費の種類と節約のヒントを紹介します。
生活費の多くを占める固定費が家賃です。安い物件を選ぶだけでも、月に数千円から数万円の固定費を節約可能です。
例えば、駅から家までの距離が今よりも徒歩5分ほど遠くなる立地で探すだけで、家賃が安くなる可能性があります。築年数が古い物件を選ぶというのも選択肢のひとつ。賃料と自分の引っ越しにおける優先順位と比べつつ、収入や生活スタイルに合わせて、物件を探してみましょう。
体力に自信があるなら、徒歩での生活により交通費を節約できます。運動にもなるので、健康意識の高い方にぴったりな節約方法です。
目的地が数km程度の距離であれば、自転車を使ってみてはいかがでしょうか。都市部だと、渋滞に巻き込まれにくくなるので、意外と早く目的地につくこともあります。
都心部ではシェアサイクリングを利用することで、自転車を購入する必要もなく、また電車での交通費よりも安く使えるので有効活用してみましょう。
電気代は、アンペア数と電気会社の加入プランの見直しで節約できます。自分が契約しているアンペア数は、電気会社の公式Webサイトやブレーカー、検針票で確認できます。
一人暮らしの場合、20~30アンペアあれば生活できます。複数の家電を使う場合は、ブレーカーが落ちないよう上手にやりくりしましょう。ガス代や水道代も、洗い物やシャワーの時間を短くすることで節約できます。
通信費を節約するには、スマートフォンの料金プランを見直してみましょう。格安SIMに変更したり、無料通話アプリを利用したりすれば、通信費と通話料金が安くなります。 また、Wi-Fiがある場合は切り替えて使う等、自身でデータ通信量をおさえることも大切です。
水道光熱費は、電気代・ガス代・上下水道代を全て合わせた金額のことをいいます。
それでは、一人暮らしにかかる水道光熱費の目安はいくらでしょうか。個人差はありますが、まずは平均的な金額ではどれくらいかかるのか確認してみましょう。
総務省による2023年度の家計調査によると、単身世帯の水道光熱費にかかる月額平均は、約13,000円でした。※1
▼各水道光熱費の月額平均
現在、世界的にエネルギー価格は高騰傾向にあります。今後、水道光熱費にかかる金額は高くなる可能性が否定できません。
また水道光熱費は地域別に差がある点にも注意が必要です。そこで次に地域別の金額について確認してみましょう。
総務省の調べによると、2023年度の電気代がもっとも高い地域は北海道・東北地方で、もっとも低い地域は九州・沖縄地方です。約2,600円の差があります。※2
▼地域別の電気代の目安
ガス代がもっとも高い地域は北陸・東海地方、低い地域は北海道・東北地方で、約950円の差があります。※2
▼地域別のガス代の目安
上下水道料は、北海道・東北地方がもっとも金額が高く、関東地方とは約500円の差があります。※2
▼地域別の水道料の目安
各地方水道光熱費は、年度によって変わるので、一概にどの地方が高い・安いとは言えません。ただし、大都市の場合は多くの人口でサービスを支えている一方で、小都市・町村は少ない人口で維持する必要があるため、どうしても料金が高くなってしまう傾向があります。※2
水道光熱費を節約したいのであれば、料金の仕組みについて知ることが大切です。ここでは項目ごとに、料金の仕組みについて解説します。それぞれの金額について、どのように決まっているのか確認してみましょう。
電気代は、電気会社との契約内容によって1か月の「基本料金」が決まります。この基本料金に、電気使用量で決まる「電力量料金(従量料金)」、さらに「再生可能エネルギー発電促進賦課金」を加えた合計額が、電気代となります。
基本料金は、電気を使わなくても毎月支払わなければなりません。電力量料金(従量料金)とは、電気の使用量に電気を作る原料等の価格も含めた料金です。そのため、世界情勢や為替変動の影響を受けることがあります。
2016年に電力が自由化され、消費者が電力会社やプランを選べるようになりました。現在は会社によって様々な料金プランがあり、ガス代とセットで契約すると割引される等の特典もあります。
ガス代は、契約内容による1か月あたりの「基本料金」と、1㎡あたりに支払う「単位料金×ガス使用量(従量料金)」の合計です。単位料金はガスの原料価格から算出されており、原料の価格変動に伴って毎月見直されています。
ガスには「都市ガス」と「プロパンガス」がある点にも注意しましょう。一般的に、ガスボンベの交換には人件費等がかかるため、プロパンガスの方が高くなります。地域や物件によって使えるガスの種類が決まっているので、住む場所を決める際は必ず確認するようにしましょう。
ガス会社も電気会社と同じく、2017年から消費者がサービスを自由に選べるようになりました。
水道料金は電気やガスと異なり、民間企業ではなく市町村等の自治体が管理しています。そのため、地域によって価格や支払い方法が異なります。
東京都水道局では、水道料は水道メーターの口径によって決まる「基本料金」と「従量課金(使用量)」の合計で決めています。他の自治体も、お水の使用量に応じて料金が決まる点は変わりありません。※3
自治体によって異なる料金は、その地域の水道局の公式Webサイト等で確認しましょう。なお水道代は、2か月分の料金をまとめて支払います。
水道光熱費の無駄を無くすことは、金銭面の負担を軽くするだけでなく、省エネにもなります。環境問題の改善にもつながるため、積極的に取組みましょう。
節約の基本は毎日の小さな積み重ねです。できるだけ「無理なく続けられるかどうか」が重要になります。そこでここでは、日常生活でできる電気代やガス代、水道料金の節約術を紹介します。
頻繁なスイッチのオンオフを避けて冷暖房の温度を調整する、必要のない場所の明かりを消す、リモコンではなく壁のスイッチで電源を消す等、少しの工夫で消費電力を少なくできます。※4
古い家電を使っている場合、最新の省エネ家電に買い替えましょう。省エネ法で定められた目標基準を達成している「省エネラベル」のついた商品を選ぶのがおすすめです。※4
電力会社を切り替えることでも簡単に節約が可能です。昔は、地域管轄の電力会社としか契約できませんでしたが、今は自由に電気会社を選べるようになっています。電気料金が安い、ガスとの組み合わせ割引がある、ポイントサービスが利用できる等、サービスをチェックしましょう。
あまり電気を使わない生活であれば、アンペア数を減らしましょう。同じ電力の使用量でも、時間帯によって料金が変わるというプランもあります。
コンロに焦げや油汚れ、埃がたまると、ガスの噴出口が詰まり、火力や熱効率が下がります。火力が弱いと調理に時間がかかり結果的にガス代がかさむため、コンロ回りの清掃をしましょう。油汚れは時間が経つと落ちにくくなるので、こまめな掃除がおすすめです。
2017年に都市ガスも自由化され、様々な企業がガスの小売事業に参入しました。電力の自由化同様、電気代とセットでの割引・ポイントがつく等、企業によって様々なサービスがあります。供給元は変わらず、切り替えは簡単な手続きで済むので、ガス会社の切り替えを検討してみましょう。
シャワーは大量のお水を使うので、 体や頭を洗うタイミング等で、こまめに止める癖をつけましょう。節水シャワーヘッドに変えるだけで、お水の使用量を減らせます。
洗剤が少ないと汚れが落ちにくく、再び洗う手間が増えるため、規定の量を守りましょう。洗濯機の「洗い」の工程で、お風呂の残り湯を使うのもおすすめです。
ガス給湯器のお湯で洗うよりも、食洗機を使う方が、トータルの費用を節約できます。食洗機は、お水の流しっぱなし等も防げます。購入費用はかかりますが、総合的に水道代や時間の節約が可能です。
一人暮らしの水道光熱費の平均は約13,000円で、地域や季節によって料金が変動します。充実した一人暮らしをするためにも、積極的に節約しましょう。ポイントは毎日の積み重ねと定期的なライフスタイルの見直しです。
一人暮らしでは、水道光熱費以外に、飲食費等も気になるものです。水道代の節約もかねて、毎日使うお水も工夫してはいかがでしょうか。一人暮らしの飲料水に関する情報は、こちらの記事で紹介しています。
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