日本人の主食であるお米は、家庭の食卓に欠かせないものです。
お米は炊く前に洗う必要がありますが、スーパー等では洗わずに炊ける「無洗米」も販売されています。「洗わなくてもおいしく炊けるのかな」「普通のお米どう違うのだろう」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、無洗米とはどういったお米なのかを解説しつつ、実際に炊くときの手順とおいしく炊くために押さえておきたいポイントを紹介します。
目次
無洗米とは、炊く前にとぎ洗いをする必要がないお米のことです。
お米を洗う必要がなければ家事の時短に役立ちますが、「なぜ洗わなくてもいいのだろうか」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
まずは、無洗米がどういったお米なのかを解説します。
一般的なお米は、炊く前にお水でとぎ洗いをしなければなりません。これは、お米の表面に「肌ヌカ」が残っている状態で売られているためです。一方で無洗米は、出荷前に工場で肌ヌカを取り除く加工がされているため、とぎ洗いをせずに炊くことができます。
田んぼで収穫されたお米は、もみ殻を取り除くことで「玄米」になります。
「玄米」を精米して胚芽やヌカを削ったものが、炊く前にとぎ洗いが必要な「精白米」です。この「精白米」からさらに肌ヌカを削ると「無洗米」になります。
肌ヌカとは、精米で取り除いたヌカが再度表面に付いたもののことで、とぎ洗いをすることでお水に溶けます。無洗米と精白米の違いは、肌ヌカが取り除かれているかどうかです。
無洗米を洗わなくてよいのは、無洗米加工により肌ヌカが取り除かれているからです。
もともと無洗米は、環境保護の観点からお米のとぎ汁を出さないことを目的に開発されました。
一般的な精白米は、家庭で炊く前にとぎ洗いをして肌ヌカを洗い落とさなればなりません。このときに出るお米のとぎ汁をそのまま川や海に流してしまうと、下水道が整備されていないところでは、水質汚濁の原因となってしまうこともあります。※1
その点、工場で肌ヌカが取り除かれている無洗米はとぎ汁が出ないだけでなく、家事の時短にも役立ちます。
無洗米を洗うと、お水が白く濁ります。「肌ヌカが取り除かれているのに、なぜ白くなるのだろうか」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
無洗米を洗ったときにお水が白く濁る原因は肌ヌカでなはく、お米のでんぷん質がお水に溶け出しているからです。
でんぷん質が抜けた無洗米からはうま味が失われるうえ、食感も悪くなります。目に見えないホコリ等が気になるときもとぎ洗いは避け、お水で軽くすすぐ程度にとどめましょう。
無洗米を口にしたとき、「パサパサしている」「固い気がする」のように、精白米とは味や食感が違うと感じることがあります。その原因は、お米ではなく炊き方にあることがほとんどです。ここでは、無洗米をおいしく炊くために押さえておきたいポイントを解説します。
無洗米を炊くときは、精白米を炊くときよりも多くのお水が必要です。
精白米は計量してからとぎ洗いをして肌ヌカを洗い流すため、実際に炊くお米の量は肌ヌカの分だけ減ります。しかし無洗米は計量してそのまま炊くため、実際に炊く量が精白米と比べて多くなります。
無洗米:炊く量=カップで量った量
精白米:炊く量=カップで量った量-肌ヌカの量
精白米に含まれる肌ヌカの量は全体の3%ほどで、決して少なくありません。無洗米を精白米と同じ水加減で炊いてしまうと水分が不足し、炊きあがりがパサパサになってしまうことが多いため、注意しておきましょう。
水加減で失敗しないためには、無洗米を量るときに「無洗米用の計量カップ」を使うのがおすすめです。専用カップを使うと、計量後に洗い流す肌ヌカの分をあらかじめ取り除いた量のお米を量ることができます。
つまり、お水の量を調整するのではなく、お米の量を減らして調整することで、適切な炊きあがりになるというわけです。
無洗米用の計量カップは、生活雑貨を扱うお店やホームセンター等で手に入ります。お米を無洗米に切り換えるときや水加減を失敗したくないときは、購入を検討するとよいでしょう。また、精白米と無洗米の両方が量れるタイプの計量カップもあります。
無洗米用の計量カップがないときは、精白米用の計量カップ等でお米をはかり、お水を多めに入れて炊きます。ただし、入れすぎると炊きあがりがベチャッとしてしまうため、注意しましょう。
精白米用の計量カップを使うときに増やすお水の量の目安は、お米1合につき大さじ1~2杯程度です。具体的に必要なお水の量は、こちらを参考にしてください。
精白米用の計量カップで量った無洗米の量 | お水の量 |
---|---|
1合 | 220〜230mL |
2合 | 440〜460mL |
3合 | 660〜690mL |
お米用の計量カップがひとつもない場合は、150gを目安にお米の重さをはかり、上の表に従ってお水を多めに入れてください。これは、精白米用の計量カップがすりきりいっぱいで1合(約180cc)となり、重さでいうと約150gだからです。
最終的にどの程度のお水を入れるかは、炊き上がりの好みによって調節しましょう。炊飯器の内釜に無洗米用の目盛りがついている場合は、目盛りに従ってお水を注ぐだけで問題ありません。
市販の炊飯器で無洗米を炊く場合、メーカーや機種によってお水の量や浸水時間、使用するモードが異なります。まずは炊飯器の説明書を確認しておきましょう。説明書が手元にないときは、インターネット上で品番から検索できます。
ここでは、無洗米をふっくらと炊き上げるための手順を解説します。
まずはお米とお水を正しく量りましょう。
失敗したくないときは、無洗米用の計量カップを使い、炊飯器の目盛り通りにお水を注ぐのがおすすめです。精白米用の計量カップを使う場合は、すりきり1杯(1合)につき、お水を大さじ1~2杯ほど多めに用意します。
無洗米を炊くときは、炊飯器の内釜にまずお水を入れ、その後でお米を入れるのがポイントです。お米を先に入れて後からお水を注ぐと、下の方のお米にお水がうまく浸透せず、炊きムラの原因になります。
お米を入れたら下の方から軽くかき混ぜて、お米全体にお水をなじませましょう。お米同士が擦れるとでんぷん質が流れ出してしまうため、力を入れすぎないよう注意が必要です。
使用する炊飯器の無洗米モードがある場合は、すぐに炊飯をスタートさせて問題ありません。
無洗米モードには、浸水の時間が設けられていたり、予熱の時間が長めに設定されていたり等、パサつきや焦げを抑えて無洗米をふっくら炊き上げるための工夫が盛り込まれています。
ただし基本的に通常の炊飯モードよりも時間がかかるため、早めにセットしておきましょう。
通常の炊飯モードで炊くときは、あらかじめお米を浸水させておきましょう。普通の精米を通常モードで炊くときは、浸水は必要ありませんが、無洗米の場合、お米を研がないため、普通の精米よりも吸水が悪くなってしまうことから、浸水しておくほうがよいでしょう。なお、浸水時間の目安は、夏場であれば30分程度、冬場は1~2時間ほどです。※2
ただ、浸水時間は長ければ長いほどよいというものではありません。浸けすぎるとでんぷん質が流出し、ベタッとした炊き上がりになってしまうため、注意しておきましょう。
お米が炊き上がったら、しゃもじを使ってご飯を4等分にし、底からすくいあげるようにしながら軽く混ぜ、余分な水分を飛ばしましょう。お米にツヤが出てふっくらとします。
ご飯をおいしく味わうには、炊いてすぐ食べるのがおすすめです。すぐに食べないときは、ラップや保存容器を使って冷凍しておきましょう。
無洗米を炊くときは、お米とお水のバランスが大切です。
無洗米用の計量カップや無洗米モード搭載の炊飯器を活用すれば、精白米と同じ感覚で無洗米を炊くことができます。 毎日食べるご飯をおいしく炊くには、炊飯に使うお水にもこだわりましょう。おいしいお水を手軽に用意したいときは、浄水型ウォーターサーバーがおすすめです。
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