家電量販店やインターネットショップ等では、「整水器」という名称の機器が販売されています。
名前からお水を整える機器だと想像できますが、「整水器とは何のために使うもの?」「浄水器とは何が違うの?」と疑問に感じる方も多いのではないでしょうか。
整水器とは「家庭用医療機器」!
水道水をろ過して不純物を除去、さらに電気分解することでアルカリ性電解水や酸性水を生成する機器です。特に家庭用のものは、胃腸症状の改善に効果があるとされるアルカリ性電解水を生成できるため、家庭用医療機器として認証されている製品が多いのが特徴です。
今回は、整水器の特徴や浄水器との違いを簡単に解説しつつ、整水器のメリットとデメリット等についてわかりやすく紹介します。
目次
整水器と浄水器の大きな違いは、その分類にあります 。
整水器が「家庭用医療機器」であるのに対し、浄水器は「家電」または「家庭用品」という点です。※1
整水器には、胃腸症状の改善に有効な「アルカリ性電解水」を生成する機能があります。医薬品医療機器等法(薬機法)に基づいて「家庭用管理医療機器」の認証を受けている整水器は、「胃の不快感をやわらげる」等の効能・効果を表示できます。
一方で浄水器は医療機器ではなく、人体に効能・効果があるような表記はできません。
整水器は「アルカリ性電解水」に加えて「浄水」と「酸性水」を生成する機能を持っています。ここでは、整水器が生成する3種類のお水について解説します。
「浄水」とは、水道水をろ過して不純物を取り除いたお水のことです。
整水器の多くは、まず水道水をろ過したのちに電気分解する仕組みになっているため、電気分解する前の浄水を飲用や調理に使うこともできます。
「アルカリ性電解水」とは、水道水等を電気分解することで生成されるアルカリ性のお水で、飲用すると胃腸症状の改善に役立つとされています。「アルカリイオン水」や「還元水素水」と呼ばれることもありますが、本質的には同じものです。
私たちにとって一番身近なお水である水道水は、水道法によって「pH値は5.8以上8.6以下」と、中性(pH7.0)に近い基準が設けられています。整水器では水道水よりもpHが高いアルカリ性電解水(pH12.0~13.0)を生成可能で、飲用のほか、炊飯や野菜のあく抜き等に使用可能です。
なお、整水器にはアルカリ性電解水のpHを調整できる機種も多く、初めて飲む際はpH8.0~9.0程度の中性に近いお水を飲むことがおすすめされています。
「酸性水」とは、アルカリ性電解水とは反対に酸性の性質を持つお水で、pHが低いのが特徴です。整水器でアルカリ性電解水を生成する際は、電気分解の物理的な原理に基づいて同時に酸性水が生成されます。どちらか一方だけを生成することはできません。
酸性水には洗浄する力があります。pH5.5~6.0程度のお水は洗顔や手洗い、pH3.0程度のお水は掃除や食器のつけ置き洗い等に使用できますが、酸性水は飲むことはできません。一般的に、pH5.5~6.0の弱酸性の水は、肌と同じpHで肌に優しいとされていますが、水道水の基準から外れるため、飲用には適しません。誤って飲んでしまわないよう、十分に注意し、残った分は使い切らずに捨ててください。
また、洗浄力があり掃除に使用できるものの、除菌効果は認められていないため、ご注意ください。
整水器と同じようにお水を電気分解する機械は、「生成器」という名称で販売されていることもあります。また、アルカリ性電解水も「アルカリイオン水」や「還元水素水」等、色々な名称で呼ばれています。
つまり、「アルカリ性電解水を生成する整水器」や「還元水素水を生成する生成器」は、どちらもお水を電気分解する機能を持つ機械で、本質的な仕組みはほとんど同じです。
こういった整水器や生成器は、主に家庭でアルカリ性電解水を使いたい方向けの機器であり、その過程で浄水や酸性水を同時に得られるものと考えておきましょう。
整水器で生成されるpH値9.0~10.0(弱アルカリ性)のアルカリ性電解水は、飲用することで、慢性的な下痢や消化不良といった胃腸に関する諸症状の改善が見込めるものとして国から認定されています。※2
ただ、注意点があります。乳幼児や腎臓に不調を抱える方の飲用は推奨されていません。また、高齢者が飲む場合は胃腸への負担を考慮し、pHを低めに設定する等の配慮が必要です。
アルカリ性電解水を飲んでも問題ないかどうか、どのくらいの量を飲むべきかは個人によって異なります。あらかじめ情報を収集し、迷ったときは医師に相談したうえで利用することをおすすめします。※3
浄水器とは、フィルター等を使って水道水から不純物を取り除くための機器です。
取り除ける物質はメーカーや機種によって異なりますが、主に残留塩素やトリハロメタン、カビ臭等を除去することを目的とした製品が数多く市販されています。
浄水器は医療機器ではなく、家電扱いの「雑貨工業品」です。性能や価格は機種によって異なり、蛇口に直接取り付けるタイプや手動で水道水を注ぐポットタイプ、工事が必要なビルトインタイプ等、幅広い選択肢があります。
整水器を使う前に知っておきたいのが、整水器を導入することで得られるメリットと注意しておきたいデメリットです。整水器のメリットとデメリットについて解説します。
整水器では、アルカリ性電解水のほかに浄水や酸性水も使用できます。
酸性水は飲用には適さないものの、洗顔や食器洗い等に活用可能です。ただし家庭用の整水器で生成される酸性水に除菌効果はありません。
整水器のデメリットとしてあげられるのが、決して安くない導入コストがかかる点です。整水器は高機能な家庭用医療機器であり、浄水機能や電気分解機能を備えているため、ほとんどの機種が浄水器よりも高価です。
実際の本体価格は機種によって異なりますが、数十万円かかる機器もあり、定期的なカートリッジ交換も必要なため、ランニングコストもかかります 。
整水器にはいくつか種類があり、仕組みや設置場所がそれぞれ異なります。いずれの種類を選んでもアルカリ性電解水を利用できる点は同じですが、使い勝手が異なるため、使いやすいものを選択しましょう。
ここでは、整水器の種類と選び方を解説します。
整水器の本体は、主に3種類あります。本体の種類やサイズによって必要なスペースが違ってくるほか、コンセントの位置等も影響するため、まずは本体の種類と設置場所を決めましょう。
ワンウェイタイプは、蛇口に接続したホースで水道水を引き込み、整水器本体のパイプからアルカリ性電解水を吐出する仕組みになっています。構造が比較的シンプルで、設置の手間もそれほどかかりません。
ただしパイプの長さに制限があるため、本体をシンクの近くに設置する必要があります。キッチンのデザインや整水器本体のサイズによっては、設置が難しかったり、水切りスペースが狭くなったりする可能性があるため、設置前にサイズと置き場所を確認しましょう。
リターンタイプは、蛇口に接続したホースで水道水を引き込んだのち、整水器で生成したアルカリ性電解水を蛇口へ戻し、蛇口から吐水する仕組みになっています。整水器本体をシンクの近くに置く必要がなく、離れた場所への設置も可能で、シンク周辺を広く使える点が便利です。
その一方で、水道水を引き込むためのホースと、生成したアルカリ性電解水を蛇口へと送るホースがあり、ワンウェイタイプと比較すると構造が複雑なため、工事にはやや手間がかかります。
ビルトインタイプは、整水器本体をシンクの下に収納するのが特徴です。整水器のサイズは機種によって異なるものの、設置することでシンク周りが狭くなったり景観を損ねたりします。その点ビルトインタイプの場合、目に見える部分に取り付けるのは水栓部分のみのため、見た目がスッキリします。
ただし、取り付けには専用工事が必要です。また、場合によっては取り付けができない可能性もあるため、事前に確認しておきましょう。
整水器は一般的に購入して使うものですが、レンタルサービスを実施しているメーカーもあります。「一度試しに使ってみたい」「使い勝手や効果を確かめたい」といった場合は、まずレンタルしてみてもよいでしょう。
家庭で手軽においしいお水を用意する方法には、整水器や浄水器のほかにウォーターサーバーを導入するという選択肢もあります。ここでは目的別に、どの方法が適しているのかを解説します。
家庭用医療機器である整水器は、酸性水やアルカリ性電解水を生成できるのが最大の特徴です。
温水・冷水の使用にこだわりがなく、酸性水としてお水を利用したい場合や、アルカリ性電解水を飲んで胃腸の不快感等の症状をやわらげたい場合等、「家庭用医療機器」として利用したい場合はおすすめです。
水道水の残留塩素や不純物を取り除ける浄水器は、あまりコストをかけずに水道水をおいしく飲みたい方に適しています。また、浄水器には性能重視の高価な機器もあるものの、整水器に比べてリーズナブルなものも多く、手軽に導入することができます。
水道水を使うため、ペットボトルのミネラルウォーターや宅配水型ウォーターサーバーよりもお水のコストが安いのも魅力だといえるでしょう。
ウォーターサーバーは、大きく分けて「宅配水型ウォーターサーバー」と「浄水型ウォーターサーバー」の2種類があります。それぞれのタイプの特徴を紹介しつつ、どのような人に向いているのかを解説します。
定期配送されるお水ボトルをセットして使う宅配型ウォーターサーバーは、メーカーごとに味にこだわった天然水やピュアウォーター(RO水)を利用できます。
お水そのもののコストは水道水と比べると高めではあるものの、飲み口や味、採水地等にこだわりたい人におすすめです。さらに温水と冷水をすぐに用意できる点と、おしゃれなデザインの機種が多くお部屋のインテリアになる点も見逃せません。
宅配水型ウォーターサーバーでおすすめなのが、採水地を厳選し、非加熱処理で味にこだわった天然水を飲むことができる「プレミアムウォーター」です。
お水がおいしいと評判で、妊娠・授乳中のママや赤ちゃんのミルクや離乳食作りにも適しています。また、お水ボトルは回収不要のワンウェイシステムで衛生的かつ便利、空ボトルの保管場所に困りません。
宅配水型ウォーターサーバー「プレミアムウォーター」について詳しくはこちら
水道水を内部カートリッジでろ過して使う浄水型ウォーターサーバーは、浄水器とウォーターサーバーのいいとこ取りができる家電です。 水道水を利用するためお水のコストが安く、なおかつウォーターサーバーのように冷水と温水を使えるため、利便性とコスパの両方を重視したい方にぴったりです。
宅配水型ウォーターサーバーと同様におしゃれな機種も多く、お部屋のインテリアにもなります。さらに定額制で使えるメーカーが多いのもポイントです。
自宅に整水器があれば、いつでも手軽にアルカリ性電解水を飲むことができます。
一方、アルカリ性電解水や酸性水が不要であれば、手軽に始められるLoccaの浄水型ウォーターサーバー「litta(リッタ)」がおすすめです。
給水タンクに水道水を補給するだけで、初期工事も不要。高性能なカートリッジが29種類の不純物を取り除き、おいしいお水をいつでも温水・冷水で楽しめます。
料金は、ウォーターサーバー本体のレンタル代や交換用カートリッジ代、カートリッジの配送代がすべて含まれている定額制※です。おいしさにもコスパにもこだわりたいときは、ぜひLoccaをご検討ください。
※ 別途水道代がかかります。カートリッジの浄水能力を保つために定期交換が必要です。(litta:8か月に1回)