井戸水の使用には浄水器が必要なの?

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日本では、昔から井戸水が生活用水として利用されてきました。毎日の飲み水や炊事、洗濯等に広く活用され、日常生活に必要不可欠なものだったのです。現在は数こそ減ったものの、地域によって井戸水を利用しているご家庭もあります。

井戸水を飲用水として使う場合は、基本的に水質検査や定期点検をしなければなりません。かつてはピロリ菌の感染源だったという問題等もあり、飲用水として使うには浄水以前の課題があります。

それでは、井戸水を飲用水として利用するためにはどのように対応すればいいのでしょうか。この記事では、井戸水と水道水の違いや、井戸水を使う際の注意点を解説します。

井戸水と水道水

井戸水の浄水について理解するには、まず井戸水とはどのようなお水なのか、特徴を知っておく必要があります。そして水道水とはどのような点が異なるのでしょうか。まず始めに確認しておきましょう。

井戸水は地下水

井戸水の大きな特徴は地下水を利用することです。 地下水は雨水等が地中に浸透したもので、土と土の隙間に存在しています。そのため、雨水等や土壌が汚染されると、地下水も汚染されてしまう可能性があります。

地下水には、流れている深さによって浅井戸水と深井戸水の2種類があります。浅井戸水は、深さが約10~30mの地下水を利用した井戸水です。 お水を通しにくい地層(不透水層)より上に位置し、周辺の環境の影響を受けやすいという特徴があります。きれいに見えても、実は細菌や有害物質に汚染されている可能性があり、注意が必要です。※1

お水を通しにくい地層(不透水層)よりも深い地下水を利用した井戸水を、深井戸水といいます。浅井戸水よりも、地上からの汚染の影響を受けにくいのが特徴です。ただし一度汚染されると、悪影響が長期間続く可能性があります。※2

水道水とは

水道水は、その多くが河川や池、湖、雨水を水源としているのが特徴です。井戸水と同じく、地下水を水源としている地域もありますが、日本の水道水は約7割が地表に存在するお水を水源としています。※2

様々な場所からくみ上げられるお水の品質を守るため、日本で定められている法律が水道法です。水道法第4条では51もの項目に対して水質基準を決め、検査の義務を定めています。※3

水質基準以外に「水質管理設定目標項目」「要検討項目」という区分も設けられており、目標値が記載されています。日本の水道水はこの法律のもと、水道事業者が厳しく管理することで、品質が保たれているのです。※4

このように、法律に基づきお水を処理して供給するのが水道水であり、地下水をくみ上げて使用する井戸水とは異なります。

井戸水を使う時の注意点

前述の通り、井戸水はきれいに見えたとしても、菌や有害物質に汚染されている可能性があります。これは、化学物質や排水が地下に浸透することがあるためです。それでは、井戸水を使うとき、どのような点に注意したらいいのでしょうか。

水質検査を受ける

井戸水を使う際は、定期的に水質検査を受けることが大切です。水質検査は保健所等で受け付けています。

井戸水を飲用水として使う場合は、51項目の水質基準をクリアしなければなりません。また、飲用水として使う場合は1年に1回の水質検査が推奨されています。※5

自治体によっては、井戸水の使用について異なる基準を設けていることがあります。※6 井戸水を使用する際は、居住する自治体のルールを確認したうえで、定期的に水質検査をおこないましょう。

井戸のまわりを点検する

井戸水を使う際は、井戸の周辺の点検も忘れないようにしましょう。まずは井戸の周辺に、お水を汚染するような雑排水や、汲み取り式のトイレ等がないかを確認してください。該当する際は水質検査をしっかりおこない、お水の安全を確認しましょう。また、周辺を清潔な状態に保つことも大切です。いたずらや動物の侵入を防止するには、井戸に柵をして鍵をかけるようにしましょう。※5

飲む時は消毒してから

井戸水を飲用する場合は、浄水以前に消毒が必要です。これは、きれいに見えても目に見えない病原菌が含まれている可能性があるからです。飲用水とする際は、専用の消毒設備を設置するようにしましょう。また、定期的に消毒効果を確認することも大切です。※5

異常を感じたら保健所へ

井戸水の色や濁り、臭い、味等に異常を感じたら、お水の使用を止めてすぐに保健所へ相談しましょう。

井戸水を使用するメリット

上下水道が普及した今も、井戸水を使っている家庭がたくさんあります。ここでは、井戸水を使用するメリットを見ていきましょう。

水温が安定

水道水は季節によってお水の温度が変わります。夏にお水がぬるいと感じたり、冬にお水が冷たいと感じたりするのは、水道管の位置が関係しています。水道管は地表の近くにあるため、外気の影響を受けやすいのです 。

一方、井戸水の水源は水道管に比べ、地表から深いところにあります。外気の影響を受けにくいため、通年ほぼ一定の心地良い温度を保っているのです。

災害時にも利用可能

日本は自然災害が多く、地震や台風等で水道や電気が止まり、生活が困難な状況に陥ることも珍しくありません。そのようなときの防災に役立つのが井戸水です。

井戸水は人力でくみ上げれば使えるため、断水時や停電時にも心強い存在です。井戸水があれば飲料水や生活用水として利用できますし、消火や救急にも活用できます。井戸があることで、万が一の際でも生活への影響が少なくなるといえます。

実際に全国の自治体では、公共の井戸の設置や災害時協力井戸の登録が推奨されています。※7

クセがない

水道水は消毒のために塩素が含まれており風味に独特のクセがあるため、苦手と感じる方もいるようです。お茶やコーヒー等の飲み物に使うと、味や香りに影響が出ることもあります。

一方で井戸水は、人工的に処理されていないため、水道水ほど風味のクセはありません。ただし、井戸水を飲み水として使用するためには、水質検査等が必要です。安全に井戸水を利用するため、定期的に水質を確認しましょう。

井戸水のデメリット

メリットの多い井戸水ですが、もちろんデメリットもあります。井戸水の利用を考えている方は、きちんと把握しておきましょう。

コストがかかる

井戸水はお水自体に費用はかかりません。しかし、安全に使うためには事前準備や定期的な検査が重要です。実はこれらにかなりのコストがかかります。

例えば井戸を作るには、機械や道具のほか、水脈までの穴掘りやくみ上げ装置等の費用がかかり、数十万円が必要です。

安全性を保つために、定期的な水質検査もしなければなりません。これにもコストがかかります。検査の項目は生活用と飲用で異なり、飲用の場合、検査費用だけで数十万円かかることもあります。また、飲用の場合は年に1回検査しなければなりません。

さらに井戸を維持するには高圧洗浄も必要で、生活用と飲用、それぞれ定められた期間中におこなわなければなりません。井戸のくみ上げを電気式ポンプでおこなう場合は、電気代もかかります。このように井戸には大きなランニングコストもかかるのです。

お水の汚れ

井戸水は水道水のように処理をしていないため、砂やごみが混ざることもあります。井戸水の汚れは、井戸の掘り方や地層の状態によって変化します。砂やごみが混じったお水は、見た目や味に影響するだけでなく、ポンプや消毒・浄水設備にも悪影響を与える可能性があります。

井戸水に含まれる成分によっては、洗濯物が変色してしまうケースもあり、注意が必要です。このような井戸水の汚れは、浄水フィルターの設置等で改善できる場合があります。ただし、浄水フィルターの設置や交換にも手間や費用がかかることも覚えておきましょう。

水量不足

井戸水は自然の水源を利用しているため、水量が不足することがあります。特に浅井戸では十分な量のお水を確保できないこともあり得ます。また、乾燥期や周辺での地下水の使用量が多い等、様々な理由によって井戸水が枯れてしまうこともあります。

井戸水と水道水を上手に使い分けよう

井戸水を安全に利用するには、遵守しなければならない項目があります。環境省のホームページには都道府県ごとの「地下水採取規制に関する条例等 項目」が掲載されているので、使用前に項目を遵守できるかどうかを検討しましょう。

井戸水はメリットがある一方でデメリットもあります。問題なく使えていても、地下水の状況や周囲の環境によって突然、水質や水量が変化するかもしれません。そこで生活のお水は井戸水だけに頼らず、水道水と使い分けるのがおすすめです。

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参考文献

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